ジェネリック医薬品(後発医薬品)がある先発医薬品を、薬の効き目と関係のない理由で希望すると、通常の1〜3割負担に加えて「特別の料金」を払うことになります。後期高齢者医療の方も同じ仕組みです。ここでは厚生労働省の資料で、料金の考え方と対象外になる場合を整理します。
長期収載品と特別の料金とは
「長期収載品」は、同じ成分の後発医薬品がある先発医薬品のことです。「選定療養」は、医療保険の仕組みの一つです。令和6年(2024年)10月1日以降は、医療上の必要性がある場合などを除き、患者さんの希望で後発医薬品ではなく長期収載品の処方を受けるときは、選定療養として「特別の料金」を負担します(厚生労働省の広報誌『厚生労働』2024年10月号)。
特別の料金は、保険の自己負担(後期高齢者医療では原則1割・2割・3割)とは別にかかります。自己負担の割合の決まり方は窓口負担割合の判定で確認できます。厚生労働省の事務連絡では、患者の負担の総額は「特別の料金」と「保険の対象となる部分の自己負担」を足した額とされています。
料金の考え方(4分の1から2分の1へ)
特別の料金は、先発医薬品と後発医薬品の薬の価格の差をもとに決まります。開始当初の令和6年10月は、価格差の4分の1相当でした。令和8年3月27日の告示の改正により、令和8年6月1日からは価格差の2分の1に相当する費用になっています(厚生労働省保険局医療課の同日付の事務連絡)。
| 時期 | 特別の料金の基準 |
|---|---|
| 令和6年10月〜令和8年5月 | 先発と後発の薬価の差額の4分の1相当 |
| 令和8年6月1日〜 | 長期収載品と後発医薬品の価格差の2分の1に相当する費用 |
保険の対象となる残りの部分は、これまでどおり自己負担の割合(1〜3割)で計算されます。事務連絡では、この自己負担と特別の料金を足したものが患者負担の総額です。特別の料金には消費税分が加わります。
考え方をつかむための仮の数字で見ます。先発医薬品が1錠100円、後発医薬品が1錠60円なら、価格差は40円です。2分の1は20円で、これが特別の料金の目安になります(実際の金額は薬ごとに厚生労働省が公表する対象医薬品のリストの数値で決まり、点数への換算と消費税が加わります)。個々の薬の金額はこのページでは示せないため、薬局で説明を受けてください。
特別の料金がかからない場合
次の場合は、これまでどおり保険給付の対象として先発医薬品を受けられ、特別の料金は発生しません。
医療上の必要性があると医師などが判断した場合
厚生労働省は、次の4つのケースを想定しています。
- 先発医薬品と後発医薬品で、国に承認された効能・効果に差があり、病気の治療のために先発医薬品が必要な場合
- 後発医薬品を使って副作用や飲み合わせの問題が出た、または治療効果に違いが出たなど、安全性の面で先発医薬品が必要な場合
- 学会のガイドラインが、先発医薬品を使っている患者は後発医薬品へ切り替えないよう勧めている場合
- 剤形の違いで後発医薬品の調剤が難しく、先発医薬品が必要な場合
後発医薬品の在庫がない場合
流通などの問題で、医療機関や薬局に後発医薬品の在庫がないときは、特別の料金を払う必要はありません。
対象になる薬
すべての先発医薬品が対象ではありません。対象は、厚生労働省が事務連絡で示す対象医薬品に限られ、追加や変更もあります。お使いの薬が対象かどうかは、薬局で確認してください。
このページは制度の一般的な説明です。ご自身の薬にいくらかかるか、対象外に当たるかの判断は、処方した医師や薬局の説明が基準になります。窓口負担の考え方全体は医療費のお知らせの見方もあわせてご覧ください。
よくある質問
料金の基準や対象の薬は改定されることがあります。
出典:厚生労働省「『長期収載品の選定療養』導入 Q&A」、厚生労働省保険局医療課 事務連絡(令和8年3月27日)(2026年10月9日確認。一次資料・出典一覧参照)。