都道府県をまたぐ引っ越しと保険料の変わり方

均等割額・所得割率は都道府県ごとに異なるため、引っ越しにより保険料額も変わります。

後期高齢者医療の被保険者が他の都道府県へ引っ越す場合、転出元で「負担区分等証明書」の交付を受け、転出先へ提出する手続きが必要です。保険料は都道府県(広域連合)ごとに異なるため、いつの月から新しい額になるかも確認しておきましょう。

転出・転入で必要な手続き

一般の住宅へ都道府県をまたいで引っ越す場合、転出前にお住まいの市区町村で「負担区分等証明書」の交付を受けます。この証明書を転出先の市区町村へ提出すると、転出先の広域連合の被保険者として新しい資格確認書(保険証)が交付されます。

転入の手続きは、住民票の異動とあわせて転入先の市区町村窓口で行います。

保険料はいつから変わるか

保険料は都道府県(広域連合)ごとに均等割額・所得割率が異なるため、引っ越しによって額も変わります。転出については、転出日の前月分までを転出元の保険料で計算し、転出した翌月頃に転出元の市区町村から「保険料変更決定通知」が送られます。

転入については、転入した月分から転入先の保険料が発生し、転入した翌月頃に転入先から「保険料通知」が送られます。都道府県ごとの均等割額・所得割率の水準は都道府県別 保険料率一覧で、実際の年間保険料の目安は保険料の目安試算で確認できます。

計算例:東京都から大阪府へ引っ越した場合

同じ年金収入でも、住む都道府県の料率で年間保険料は変わります。ここでは、公的年金収入が年250万円のみの単身の方を例に、令和8年度の東京都と大阪府の料率で並べました。

年金収入250万円は公的年金等控除110万円を引いて所得140万円、さらに基礎控除43万円を引いた97万円が所得割の対象です。この収入では均等割の軽減(7割・5割・2割)は受けられません。

項目東京都大阪府
医療分の均等割額53,300円64,931円
医療分の所得割率9.88%(97万円×率=95,836円)11.51%(97万円×率=111,647円)
子ども分の均等割額1,300円1,373円
子ども分の所得割率0.26%(97万円×率=2,522円)0.24%(97万円×率=2,328円)
年間保険料の目安152,958円180,279円

この例では、大阪府の方が年間で約2万7千円(27,321円)高くなります。差の大半は、医療分の均等割額(約1万2千円)と所得割率(約1万6千円)の違いです。賦課限度額(年87万1千円)には届きません。

上の金額は、公表されている料率で試算した目安です。100円未満などの端数の処理は広域連合の規定により異なり、実際の保険料は市区町村から届く保険料通知で確認してください。転入月から転入先の保険料になるため、年の途中で引っ越した場合は月割りになります。

出典:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」(確認日2026年10月12日)。東京都の均等割額は区市町村の一般財源による特別対策後の額です。他の都道府県の料率は前出の一覧で確認できます。

同じ都道府県内で引っ越す場合

保険料率は都道府県(広域連合)単位で決まるため、同じ都道府県内の別の市区町村へ引っ越しても、年間の保険料額は変わりません(愛知県・東京都の案内)。ただし、転出元と転入先の市区町村で、住んでいた月数に応じて保険料が月割りで按分されます。

東京都の案内では、同じ市区町村内での転居なら保険料は変わらないとされています。愛知県の案内では、引っ越しによって保険料の支払方法が変わることがあるため、詳しくは市区町村の後期高齢者医療担当窓口に確認するよう求められています。

施設に入所する場合の住所地特例

特別養護老人ホームなど一定の施設(住所地特例対象施設)に都道府県をまたいで入所する場合は、「住所地特例」が適用され、転出前の都道府県の広域連合の被保険者資格・保険料がそのまま続きます。施設が所在する都道府県の保険料に切り替わるわけではありません。

これは、施設が多く立地する都道府県の財政負担が偏らないようにするための仕組みです。個別の施設が住所地特例の対象になるかどうかの判定は行っていません。対象施設への入所を予定している場合は、転出元・転出先の市区町村や施設の担当者に確認してください。

よくある質問

Q他の都道府県へ引っ越すと、転入先の広域連合ではどう扱われますか。
A

転出前に負担区分等証明書の交付を受け、転入先の市区町村へ提出すると、転入先の広域連合の被保険者として新しい資格確認書が交付されます。保険料は転入した月分から転入先の広域連合の額になります(渋谷区・目黒区の案内)。

Q負担区分等証明書を出し忘れたまま転入したら、どうなりますか。
A

公式ページには、出し忘れた場合の扱いは書かれていませんでした。転入先の市区町村の後期高齢者医療担当窓口に、お早めに相談してください。

Q施設に入所して引っ越すときも、転入先の広域連合に変わりますか。
A

特別養護老人ホームなど住所地特例の対象施設に入所する場合は、転出前の広域連合の被保険者資格と保険料が続きます。対象施設かどうかは、転出先の介護保険担当課や施設に確認してください(目黒区の案内)。

転入先の窓口の探し方は広域連合・窓口の連絡先、死亡時の葬祭費などの給付の期限は給付別の申請期限一覧で確認できます。

75歳になった年の保険料の月割りは、75歳の年の保険料の月割りで確認できます。

この記事について

保険料の変更時期の具体的な扱い(日割りの有無、通知のタイミング)は自治体によって細部が異なる場合があります。一般的な傾向の説明であり、個別の金額を保証するものではありません。正確な手続き・金額は、転出元・転出先の市区町村の後期高齢者医療担当窓口にご確認ください。


出典:渋谷区「引っ越し(後期高齢者医療制度)」、目黒区「後期高齢者医療制度における転出・転入のご案内」、東京都後期高齢者医療広域連合「転居した際の保険料」、愛知県後期高齢者医療広域連合「保険料についてのよくある質問」(一次資料・出典一覧参照)。

各ページの確認日は2026年10月8日です。