親の後期高齢者医療は、子が代理で窓口手続きを行えます。親と住民票上の世帯が別の場合は、委任状が必要です。同一世帯の場合を含む一般的な取り扱いと、委任状の書き方、電話で確認できる範囲を整理します。
| 代理人の立場 | 代理権を示す書類 | あわせて必要なもの |
|---|---|---|
| 別世帯の子 | 委任状(親本人が書くのが原則。書けないときは代筆の理由を余白に書く) | 代理人自身の本人確認書類(運転免許証など) |
| 同一世帯の子 | 不要とされる場合が多い(窓口で確認) | 代理人自身の本人確認書類 |
| 成年後見人 | 登記事項証明書など、法定代理人であることを示す書類(自治体の案内による) | 代理人自身の本人確認書類 |
委任状が必要になるケース
窓口で手続きをする方が被保険者本人と別世帯の場合、委任状が必要になります。同居していて住民票上も同一世帯であれば、委任状が不要とされる場合が多いですが、別居している子が代理する場合は、住民票上は別世帯であることがほとんどのため、委任状が必要になると考えておいた方がよいでしょう。
委任状に書く内容
委任状には、一般的に次の内容を記載します。「委任状」というタイトル、作成日付、委任者(親本人)の住所・氏名・被保険者番号・押印、代理人(子)の住所・氏名・電話番号、委任する内容です。委任状は委任者本人の直筆が原則ですが、身体的な理由で直筆できない場合は代筆も可能とされています。
窓口では、代理人自身の本人確認書類(運転免許証等)もあわせて必要です。
資格確認書の受け取りなどの「資格関係」と、高額療養費の請求などの「給付関係」で、委任状の様式が分かれている自治体もあります。手続き内容が決まったら、様式や必要書類を事前に窓口へ確認しておくとスムーズです。
電話でどこまで問い合わせできるか
窓口負担割合の判定基準や保険料の仕組みといった制度の一般的な説明であれば、誰でも広域連合・市区町村の窓口に電話で問い合わせできます。一方で、親本人の保険料の金額や納付状況など、個人情報を含む照会は、本人以外からの問い合わせにそのまま答えてもらえるとは限りません。
広域連合の総合案内窓口では個人情報を扱えず、お住まいの市区町村の担当窓口への問い合わせが必要になる場合もあります。個人情報に関わる内容を確認したい場合は、委任状の準備状況もあわせて、事前に窓口へ相談することをお勧めします。
成年後見人・認知症の親の場合
親に成年後見人(家庭裁判所が選んだ法定代理人)がついている場合、窓口では代理人自身の本人確認書類に加えて、代理権を確認できる書類を求められます。
西宮市は、代理人が手続きする場合に本人確認の書類と代理権が確認できる書類の提示を求め、成年後見人等には「登記事項証明書などの法定代理人であることを証明できる書類」を挙げています。横浜市も、成年後見人等が選任されている場合は登記事項証明書などの写しを案内しています。
後見人がいない認知症の親の場合は、上で説明した委任状の手続きになります。本人が自分で書けないときの代筆は、印西市が、代筆した方の氏名と理由を余白に書く方法を案内しています。ただし、窓口ごとに求める書類は異なります。認知症の親の窓口負担割合や、保険料を家族が納めるときの決まりは、認知症のある方の後期高齢者医療で整理しています。
事前に市区町村の後期高齢者医療担当窓口へ、親の状況(後見人の有無、本人が書ける状態か)を伝えて確認してください。
- 委任状(別世帯の子が手続きする場合):本人が書くのが原則。書けないときは代筆の理由を余白に書く
- 成年後見人の場合:登記事項証明書などの代理権を示す書類(自治体の案内による)
- どちらの場合も:代理人自身の本人確認書類(運転免許証など)
よくある質問
認知症で親が委任状を書けない場合、子が代わりに書いてもよいですか。
印西市は、委任する本人が病気や怪我などで書けない場合は別の方が代筆でき、余白に代筆した方の氏名と代筆した理由(例:本人が認知症により自筆することは難しいため)を書くよう案内しています。本人の押印は認印でも構わないとされています。ただし、本人が委任の内容を理解できる状態かどうかの扱いは自治体で異なる可能性があるため、事前に窓口へ相談してください。
成年後見人が手続きするときは、委任状は必要ですか。
確認できた市の案内では、成年後見人等が選任されている場合は、登記事項証明書などの法定代理人であることを示す書類を求めています(西宮市・横浜市)。委任状が別に必要かどうかは、確認したページに明記がありませんでした。窓口によって求める書類が異なるため、手続きの前に電話で、後見人として手続きしたい旨と必要書類を確認してください。
親が亡くなったあとの手続きは、このページの方法で行えますか。
このページは、本人が生きている間の代理手続きの一般的な説明です。亡くなった場合の届け出や葬祭費などは、手続きの内容と申請できる人が変わります。死亡後に後見人の立場で申請できるかどうかは、確認できた案内に記載がなく、このページでは判断しません。「被保険者が亡くなったときの手続き」のページと、市区町村の窓口の案内を確認してください。
委任状の様式・必要書類・電話での対応可否は自治体によって異なります。一般的な傾向の説明であり、個別のケースでの可否を保証するものではありません。正確な手続き方法は、お住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口にご確認ください。
出典:印西市「代理人の方がお手続きをする際は委任状が必要です」、西宮市「代理権確認のための書類」、横浜市「限度額適用認定証(減額認定証)の申請」(2026年10月12日確認)、東京都保健医療局「後期高齢者医療制度のお問い合わせ先」(一次資料・出典一覧参照)。
被保険者本人が亡くなった場合の手続きは被保険者が亡くなったときの手続きで確認できます。
親の後期高齢者医療の手続きに加えて介護も始まった場合、最初にすべきことは介護開始時の初動対応(親の介護の準備ガイド)で確認できます。