保険料の軽減割合と子ども・子育て支援金

同じ都道府県でも保険料が人によって大きく違う理由と、令和8年度からの新しい制度変更を解説します。

令和8年度(2026年度)から後期高齢者医療の保険料に加わった子ども・子育て支援金分は、全国平均で均等割が年額1,351円、所得割率が0.25%(被保険者1人あたり月額194円の上乗せ見込み)です。東京都で年金収入だけの1人世帯なら、年額は年金収入150万円で390円、200万円で2,262円、300万円で5,122円です。均等割は所得に応じて7割・5割・2割軽減され、所得割に軽減はありません。

所得に応じた均等割の軽減

後期高齢者医療の保険料は「均等割額」(全員が等しく負担する額)と「所得割額」(所得に応じた額)の合計です。このうち均等割額は、世帯主と世帯の被保険者全員の総所得金額等の合計が一定額以下の場合、7割・5割・2割のいずれかの割合で軽減されます。

基準となる金額は全国共通で、基礎控除額43万円を土台に、被保険者の人数や世帯内の給与・年金所得者の数に応じて計算します。65歳以上の公的年金所得は、軽減の判定に限り、さらに高齢者特別控除15万円を差し引いた額を使います(軽減判定の早見表)。

令和8・9年度は特例として、医療分の均等割に限り7割軽減が7.2割へ引き上げられています(子ども・子育て支援納付金分は7割のまま)。

具体的な金額は保険料の目安試算ページで、総所得金額等と世帯の被保険者数を入力すると軽減後の金額まで試算できます。この判定は4月1日の世帯の状況で行われるため、年度の途中に世帯を分けても、その年度には反映されません(詳しくは世帯分離で何が変わるか)。

令和8年度に始まった「子ども・子育て支援金」

令和8年度から、後期高齢者医療の保険料に「子ども・子育て支援金」分が新たに加わりました。これは、こどもや子育て世帯を高齢者を含む全世代・企業で支える仕組みとして、こども家庭庁が所管する制度です。

子ども・子育て支援納付金分の全国平均は、均等割額が年額1,351円、所得割率が0.25%です。被保険者一人当たりでは、月額194円が上乗せされる見込みです。令和9年度の子ども分の保険料率は、令和8年度末までに各広域連合の議会で改めて決定されます。

子ども分の年額の計算例(東京都・年金収入別)

東京都の令和8年度の子ども分(均等割1,300円・所得割率0.26%)を、65歳以上・年金収入だけ・世帯の被保険者が本人1人として計算しました。年金収入から公的年金等控除と基礎控除43万円を引いた額を所得割の基礎にしています。金額は年額です。

年金収入均等割(軽減後)所得割子ども分の年額
150万円390円(7割軽減)0円390円
200万円1,040円(2割軽減)1,222円2,262円
250万円1,300円(軽減なし)2,522円3,822円
300万円1,300円(軽減なし)3,822円5,122円

これは医療分を除いた子ども分だけの目安で、医療分を含む合計の年額は年金収入別の保険料の目安にあります。社会保険料控除などは引いていないため、実際の金額は広域連合が決定する保険料額と異なります。

令和8年度の子ども分と医療分の合計(47都道府県)

各広域連合が定めた令和8年度の均等割額・所得割率を、医療分と子ども分に分けて並べ、合計を示します。軽減前の金額・率で、合計は医療分と子ども分の足し算です(出典:厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」)。

都道府県ごとの詳しい比較は都道府県別の保険料率一覧にあります。

都道府県均等割 医療分均等割 子ども分均等割 合計所得割率 医療分所得割率 子ども分所得割率 合計
北海道59,963円1,364円61,327円11.61%0.28%11.89%
青森県50,500円1,300円51,800円9.00%0.20%9.20%
岩手県48,800円1,366円50,166円8.50%0.26%8.76%
宮城県52,200円1,370円53,570円9.12%0.25%9.37%
秋田県55,996円1,350円57,346円9.73%0.25%9.98%
山形県52,500円1,373円53,873円9.63%0.25%9.88%
福島県49,000円1,400円50,400円9.24%0.25%9.49%
茨城県49,500円1,400円50,900円9.32%0.28%9.60%
栃木県49,100円1,300円50,400円9.00%0.25%9.25%
群馬県54,600円1,400円56,000円9.78%0.25%10.03%
埼玉県52,370円1,330円53,700円9.49%0.25%9.74%
千葉県51,000円1,310円52,310円9.40%0.25%9.65%
東京都53,300円1,300円54,600円9.88%0.26%10.14%
神奈川県52,531円1,330円53,861円10.30%0.25%10.55%
新潟県49,200円1,354円50,554円8.61%0.26%8.87%
富山県55,800円1,373円57,173円10.19%0.26%10.45%
石川県57,300円1,360円58,660円11.14%0.24%11.38%
福井県54,140円1,300円55,440円10.83%0.26%11.09%
山梨県52,610円1,330円53,940円9.44%0.25%9.69%
長野県48,827円1,339円50,166円8.80%0.25%9.05%
岐阜県55,385円1,374円56,759円9.71%0.25%9.96%
静岡県51,100円1,400円52,500円9.35%0.25%9.60%
愛知県56,130円1,362円57,492円10.48%0.25%10.73%
三重県54,843円1,370円56,213円9.53%0.25%9.78%
滋賀県55,380円1,340円56,720円10.13%0.25%10.38%
京都府59,590円1,350円60,940円10.15%0.25%10.40%
大阪府64,931円1,373円66,304円11.51%0.24%11.75%
兵庫県58,427円1,351円59,778円10.77%0.24%11.01%
奈良県57,100円1,400円58,500円10.63%0.25%10.88%
和歌山県58,748円1,385円60,133円10.36%0.25%10.61%
鳥取県52,138円1,363円53,501円10.64%0.25%10.89%
島根県57,170円1,370円58,540円10.02%0.26%10.28%
岡山県60,100円1,400円61,500円10.88%0.25%11.13%
広島県55,090円1,337円56,427円9.93%0.25%10.18%
山口県63,513円1,354円64,867円11.36%0.24%11.60%
徳島県60,976円1,356円62,332円10.91%0.25%11.16%
香川県58,000円1,300円59,300円9.93%0.25%10.18%
愛媛県55,630円1,320円56,950円9.79%0.25%10.04%
高知県60,400円1,393円61,793円10.31%0.24%10.55%
福岡県66,340円1,339円67,679円11.70%0.25%11.95%
佐賀県68,700円1,400円70,100円11.79%0.24%12.03%
長崎県56,200円1,300円57,500円9.59%0.25%9.84%
熊本県63,000円1,400円64,400円11.06%0.25%11.31%
大分県64,200円1,400円65,600円11.25%0.24%11.49%
宮崎県56,300円1,356円57,656円10.08%0.25%10.33%
鹿児島県69,800円1,400円71,200円11.72%0.25%11.97%
沖縄県61,000円1,290円62,290円10.81%0.26%11.07%

保険料が上がった主な理由

令和8・9年度の保険料は全国平均で令和6・7年度から増加していますが、厚生労働省はその主な要因として次を挙げています。

後期高齢者負担率は、給付費のうち高齢者自身の保険料で負担する割合です。一方で、直近の剰余金2,481億円も、保険料の伸びを抑えるために活用されています。

令和8・9年度の賦課限度額

保険料には年間の上限(賦課限度額)があります。令和8・9年度は、医療分85万円に子ども・子育て支援納付金分2万1千円が加わり、合計で年額87万1千円が上限です(令和7年度の上限は80万円でした。年度ごとの推移は賦課限度額の推移にまとめています)。

所得がどこまで高くなると保険料が頭打ちになるかは、上限に達する課税所得の目安で都道府県別に確認できます。通知書の保険料が前年と違う場合に、軽減・限度額・子ども分のどこが原因かを順に確かめる手順は保険料が前年から変わった原因にあります。

よくある質問

Q子ども・子育て支援金は、いつから保険料に加わりましたか?
A

令和8年度(2026年度)の後期高齢者医療の保険料から加わりました。令和9年度の子ども分の保険料率は、令和8年度末までに各広域連合の議会で改めて決定されます。

Qなぜ高齢者も子ども・子育て支援金を負担するのですか?
A

こども家庭庁が所管するこの制度は、こどもや子育て世帯を、高齢者を含む全世代と企業で支える仕組みとされています。後期高齢者医療では、医療分とは別に子ども分の均等割と所得割が保険料に加わります。

Q子ども分にも保険料の軽減はありますか?
A

均等割には、医療分と同じ判定で7割・5割・2割の軽減がかかります。ただし、令和8・9年度に医療分だけ7割が7.2割へ引き上げられている特例は、子ども分には及ばず7割のままです。所得割には軽減がありません。ご自身の世帯への適用可否は、お住まいの広域連合または市区町村の窓口でご確認ください。

Q子ども分の保険料にも上限はありますか?
A

あります。令和8・9年度の賦課限度額は、医療分85万円と子ども分2万1千円を合わせた年額87万1千円です。

この記事について

軽減割合の判定・保険料の増減はいずれも一般的な制度説明です。ご自身の世帯に実際に適用される軽減割合や金額は、お住まいの後期高齢者医療広域連合または市区町村の窓口でご確認ください。


出典: 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」、東京都保健医療局「保険料の軽減策」(一次資料・出典一覧参照。2026年10月14日に原文を照らし直しました)。