後期高齢者医療の財源の内訳(公費・支援金・保険料)

保険料は医療費の一部にすぎません。誰がどれだけ負担しているかを一次資料の数字で確認します。

後期高齢者医療の窓口で支払う負担割合や保険料は、医療費全体のごく一部を賄っているにすぎません。残りの大部分は、現役世代の保険料からの支援金と、税金(公費)でまかなわれています。ここでは厚生労働省の資料をもとに、その内訳を確認します。

医療費全体の規模

令和6年度予算ベースで、後期高齢者医療費(75歳以上の医療費)の総額は20.0兆円です。このうち、医療機関等へ実際に支払われる給付費が18.4兆円、患者が窓口で支払う負担分(窓口負担)が1.6兆円を占めます。

財源の内訳(公費・支援金・保険料)

給付費18.4兆円の財源は、大きく3つに分かれます。

給付費18.4兆円の財源の内訳(令和6年度予算ベース)
  • 公費(国・都道府県・市町村)8.7兆円(約47円)
  • 現役世代からの後期高齢者支援金 7.4兆円(約40円)
  • 高齢者自身の保険料 1.7兆円(約9円)
  • 軽減措置・高額医療費の支援等の公費 0.6兆円(約3円)
出典: 厚生労働省「高齢者医療制度について」。括弧内は給付費100円あたりの目安。2026年9月11日確認。

公費(国・都道府県・市町村の税金)が約5割の8.7兆円です。国・都道府県・市町村が4:1:1の比率で、それぞれ5.8兆円・1.4兆円・1.4兆円を負担します。

現役世代からの後期高齢者支援金が約4割の7.4兆円、そして高齢者自身の保険料が約1割の1.7兆円(所得の低い方向けの軽減措置等により実質は約9%程度)です。

このほかにも、保険料の軽減措置や高額医療費の支援等に充てられる公費が別途0.6兆円あります。

つまり、窓口で支払う負担割合(1〜3割)と毎年の保険料は、医療費全体のうち合わせて約16%(窓口負担1.6兆円と保険料1.7兆円の合計3.3兆円を、総額20.0兆円で割った値)を占めるにとどまり、残りの多くは現役世代の保険料と税金で支えられている仕組みです。

保険料の目安は保険料の目安試算ページ、窓口負担割合は窓口負担割合判定ページで確認できます。

現役世代からの支援金は誰が出している?

後期高齢者支援金7.4兆円は、現役世代(0〜74歳)が加入する健康保険から拠出されています。内訳は、協会けんぽ(中小企業の従業員等)2.6兆円、健保組合(大企業等の従業員)2.5兆円、共済組合(公務員等)0.8兆円、都道府県等(国民健康保険)1.5兆円です。

会社員・公務員・自営業者を問わず、現役世代の保険料の一部が後期高齢者医療を支える仕組みになっています。

給付費100円あたりの負担額(計算例)

給付費18.4兆円を100円に置き換えると、各財源の負担額は次のとおりです(兆円の額を18.4で割って100をかけ、四捨五入した目安)。

財源金額計算給付費100円あたり
公費(国・都道府県・市町村)8.7兆円8.7 ÷ 18.4約47円
現役世代からの後期高齢者支援金7.4兆円7.4 ÷ 18.4約40円
高齢者自身の保険料1.7兆円1.7 ÷ 18.4約9円
保険料軽減措置・高額医療費の支援等に充てる公費0.6兆円0.6 ÷ 18.4約3円

窓口負担は、医療費の総額20.0兆円に対して1.6兆円(1.6 ÷ 20.0で8%)です。窓口負担1.6兆円と保険料1.7兆円を合わせると3.3兆円で、総額20.0兆円の約16%(3.3 ÷ 20.0)です。

なぜこの分担なのか

国民健康保険と被用者保険(会社の健康保険等)の二本立てで国民皆保険を実現していますが、所得が高く医療費の低い現役世代は被用者保険に多く加入する一方、退職して所得が下がり医療費が高くなる高齢期には国民健康保険に加入するという構造的な課題があります。

このため、高齢者医療を社会全体で支える観点から、後期高齢者医療では現役世代からの支援金と公費で医療費の約9割を賄う仕組みが設けられています。

よくある質問

Q保険料は、医療費全体のどれくらいを賄っていますか。
A

給付費18.4兆円のうち、高齢者自身の保険料は1.7兆円で、約1割(1.7÷18.4で約9%)です。軽減措置等を考慮した実質の割合も約9%程度とされています。

Q窓口で支払う負担は、医療費全体のどれくらいですか。
A

医療費の総額20.0兆円のうち、患者の窓口負担は1.6兆円で、1.6÷20.0で8%にあたります。この全国計の割合は、1割・2割・3割という個人の負担割合とは別の数字です。

Q現役世代の支援金は、どの保険から出ていますか。
A

後期高齢者支援金7.4兆円の内訳は、協会けんぽ2.6兆円、健保組合2.5兆円、共済組合0.8兆円、都道府県等(国民健康保険)1.5兆円です。

薬の費用の新しい負担についてはOTC類似薬の別途の負担で整理しています。

この記事について

金額は令和6年度予算ベースの全国計であり、都道府県・年度によって変動します。窓口負担割合・保険料の個別の金額は窓口負担割合判定・保険料の目安試算でご確認ください。
出典:厚生労働省「高齢者医療制度について」(一次資料・出典一覧参照)。