後期高齢者医療保険料を納期限までに納められないと、督促・延滞金から始まり、滞納が長引くほど段階的に措置が重くなる仕組みになっています。ここでは一般的な流れを整理します。実際の運用は広域連合・市区町村によって細部が異なる場合があります。
先に流れだけ示すと、納期限後は督促状や催告、延滞金の加算があり、滞納が続くと差押え等の滞納処分が行われることがあります。納期限から1年以上の滞納では特別療養費の対象になることがあり、1年6か月以上では保険給付の支払いが一時差し止められる場合があります。保険料の時効は2年です。
このページは督促から差押え・時効までの全体の流れを扱います。広域連合ごとの督促・延滞金・窓口の書き方の違いは納付が遅れたときの広域連合別比較で並べています。
| 段階 | 起こりうること |
|---|---|
| 納期限を過ぎたとき | 督促状の送付、文書・電話による催告。日数に応じて延滞金が加算されることがある |
| 督促後も滞納が続くとき | 年金・預貯金・給与等への差押え等の滞納処分。世帯主・配偶者が連帯納付義務を負う |
| 納期限から1年以上 | 特別な事情がなければ「特別療養費」の対象となることがある(窓口で10割負担) |
| 納期限から1年6か月以上 | 高額療養費等の保険給付の全部または一部が一時差し止められる場合がある |
保険料を払わないとどうなるか:督促状・延滞金・差押えの流れ
納期限を過ぎると、まず督促状の送付や、文書・電話による催告が行われます。この段階で納付すれば大きな問題にはなりませんが、納期限を過ぎた日数に応じて延滞金が加算されることがあります。
督促を受けてもなお滞納が続く場合、差押え等の滞納処分が行われることがあります。年金・預貯金・給与等が対象になり得ます。また、後期高齢者医療では世帯主・配偶者が連帯納付義務を負うため、本人が納付していない場合に家族へ請求されることもあります(条文と認知症の家族がいる場合の整理は認知症のある方の後期高齢者医療)。
災害等の特別な事情がないまま納期限から1年以上滞納すると「特別療養費」の対象となることがあり、さらに1年6か月以上滞納すると、高額療養費等の保険給付の全部または一部の支払いが一時差し止められる場合があります。
「特別療養費」とは
特別療養費の対象になると、医療機関の窓口では医療費をいったん全額(10割)自己負担で支払うことになります。その後、申請により本来の自己負担分(1〜3割相当)を除いた額が払い戻されますが、払い戻し額から滞納中の保険料が差し引かれる(相殺される)場合があります。
窓口負担割合そのものの判定基準は窓口負担割合判定ページで確認できますが、滞納によりこの割合での支払いにならない点に注意が必要です。
保険料の時効(2年)
高齢者の医療の確保に関する法律第160条第1項は、保険料を徴収する権利は、行使できる時から2年を経過すると時効によって消滅すると定めています。一方、同条第2項で、保険料の徴収の告知や督促は時効の更新の効力を生じるとされています。
督促状が届くたびに時効が数え直されるため、「2年待てば払わなくてよい」とは言えません。なお、同じ第160条には、保険料の還付を受ける権利や医療給付を受ける権利も2年で消滅するという定めがあります。
滞納処分の執行停止(差押えを止められる3つの場合)
市町村が徴収する保険料は、督促をしても納付がないとき、地方税の滞納処分の例により処分できるとされています(高齢者の医療の確保に関する法律第113条、地方自治法第231条の3第3項)。
地方税の滞納処分には停止の定めがあり、地方税法第15条の7は、次のいずれかに当たると認められるとき、滞納処分の執行を停止することができるとしています。
- 滞納処分をすることができる財産がないとき
- 滞納処分をすることでその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき
- 所在と、滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき
執行を停止すると滞納者に通知され、生活の窮迫を理由とする場合は差押えが解除されます。停止が3年間続くと納付義務が消滅します。ただし、停止は「できる」とされる自治体の判断であり、申し出れば停止されるものではありません。
個別の状況でどうなるかは、お住まいの広域連合・市区町村の窓口へ相談してください。
督促状が届いたら最初にすること・納付が難しいときの相談
督促状が届いたら、まず書かれている納期限(指定された期限)と問い合わせ先を確認し、期限内に納付するか、納付が難しければ期限前にお住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口へ連絡してください。保険料の支払い状況など個人情報にかかわる照会は、広域連合の総合的なお問合せセンターではなく、市区町村の担当窓口が受け付ける扱いです。
収入が減った、病気で支払いが難しい等の事情がある場合は、滞納が長引く前に早めに相談することが勧められています。分割納付等の相談に応じてもらえる場合があります。分割納付の記載は広域連合によって異なり、案内のない広域連合もあるため、窓口で確かめてください。
年金天引き(特別徴収)を口座振替に変更する方法はこちらの記事で解説しています。納付方法の選択肢はクレジットカード・スマホ決済での納付、納めたあとの書類の違いは納付証明書と納付額のお知らせで確認できます。保険料の減免は広域連合ごとの比較も参考になります。
広域連合ごとの督促・延滞金・相談窓口の書き方は納付が遅れたときの広域連合別比較で並べています。納めすぎたときは保険料の還付で整理しています。
自分の県の保険料の額は都道府県別の保険料一覧、国民健康保険の滞納との違いは国民健康保険との違いで確認できます。
よくある質問
督促状の送付や、文書・電話による催告が行われます。納期限を過ぎた日数に応じて延滞金が加算されることがあります。この段階で納付すれば大きな問題にはなりません。
災害等の特別な事情がないまま納期限から1年以上滞納すると、特別療養費の対象となることがあります。その場合、窓口では医療費をいったん全額(10割)自己負担で支払います。申請により払い戻されますが、滞納中の保険料が差し引かれる場合があります。
あります。後期高齢者医療では世帯主・配偶者が連帯納付義務を負うため、本人が納付していない場合に家族へ請求されることがあります。
納期限までに納付しない人に対し、市区町村の長が期限を指定して督促することが地方自治法第231条の3第1項に定められています。督促は、高齢者の医療の確保に関する法律第160条第2項により、保険料を徴収する権利の時効を更新する効力があります。
保険料を徴収する権利は、行使できる時から2年で時効により消滅すると同法第160条第1項に定められています。ただし督促などで時効は更新されるため、2年たてば必ず請求されなくなるとは言えません。個別の扱いは広域連合・市区町村の窓口へご相談ください。
督促状に書かれた納期限と問い合わせ先を確認し、期限内に納付するか、難しければ期限前にお住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口へ連絡してください。納付状況などの個人情報にかかわる照会は、市区町村の担当窓口が受け付けます。
分割納付の相談に応じてもらえる場合があります。ただし分割納付の書き方は広域連合によって異なり、案内のない広域連合もあります。可否や回数は個別の事情で決まるため、お住まいの市区町村の窓口で確かめてください。
お住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口に、滞納が長引く前に相談してください。分割納付等の相談に応じてもらえる場合があります。広域連合ごとの書き方は「納付が遅れたときの広域連合別比較」で並べています。
確認日: 2026-10-12。一般的な制度の説明であり、個別の滞納状況への対応や措置の適用可否を判断するものではありません。具体的な状況については、お住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口にご相談ください。
出典:愛知県後期高齢者医療広域連合「保険料を滞納すると」、東京都後期高齢者医療広域連合「特別療養費」、e-Gov法令検索の高齢者の医療の確保に関する法律・地方自治法・地方税法(条文の確認日 2026-10-12)(一次資料・出典一覧参照)。