後期高齢者医療保険料が前年から変わった原因を通知書で確かめる手順

前年より上がった・下がったときに、6つの原因を通知書のどの欄で見るかを順に確認します。

7月に届く保険料額決定通知書で、前年と金額が違っていたら、まず次の6つを順に確かめます。原因は所得、均等割の軽減区分、料率の改定、賦課限度額、子ども・子育て支援金分、加入月数のいずれか、または複数の重なりであることがほとんどです。通知書の欄の位置は市区町村で違うため、ここでは枚方市の令和8年度の見方(2026年7月10日更新)を例にします。

原因と確かめる欄の対応表

原因通知書で見る欄確かめること
1. 前年中の所得総所得金額等から基礎控除を引いた額(枚方市の例の(2))、所得割率の欄((3))令和7年中の所得が前の年から増減していないか
2. 軽減区分均等割軽減額の欄((4))軽減額が前年と違わないか。0円なら軽減なし
3. 料率の改定所得割率の欄((3))、均等割額令和8・9年度の新しい料率になっているか
4. 賦課限度額限度超過額の欄((5)の算出に使われる)所得が高い方で、限度超過額が前年と違わないか
5. 子ども・子育て支援金分「子ども分」の欄令和8年度から新しく加わった分が含まれているか
6. 加入月数加入(予定)月数と、加入月数が1年未満の場合の減額の欄((6)(7))年度の途中で加入した場合に、月割りになっているか

通知書の項目全体の見方は保険料額決定通知書の項目対応表にまとめています。

1. 前年中の所得が変わった

保険料は、前年中の所得をもとに決まります。枚方市の令和8年度の案内では、通知書の(2)は「令和7年中の総所得金額等から基礎控除を引いた額」です。 令和7年に年金額が変わった、働いた収入が増えた・減った、株式の配当や譲渡益があったなどで所得が動くと、所得に比例する所得割額が変わります。 所得割率(通知書の(3))に、この(2)の額を掛けて計算するためです。

年金の繰下げ受給を始めた年や、配当・譲渡所得の申告をした年は動きやすい場面です。年金収入ごとの保険料の目安は年金収入別の保険料目安で確かめられます。

2. 軽減区分が変わった

均等割額は、世帯の所得に応じて7割・5割・2割(令和8・9年度の医療分は7.2割)が軽減されます。東京都の案内では、同じ世帯の被保険者全員と世帯主の「総所得金額等を合計した額」で判定します。 世帯主が被保険者でなくても、世帯主の所得は判定の対象です。65歳以上の公的年金所得は、さらに15万円(高齢者特別控除額)を差し引いて判定します。

判定は、その年度の4月1日(年度の途中で加入した場合は資格を取った日)の世帯の状況で行います。 前年に世帯分離をした、同居の家族の所得が増えた、配偶者が亡くなったなど、世帯の構成や所得が変わると、軽減の割合が前年と違うことがあります。 軽減の仕組みは保険料の軽減・減免、世帯を分けた場合は世帯分離で変わることを参照してください。

3. 料率が改定された

料率は2年ごとに見直され、令和8・9年度の保険料率は令和8年4月10日に厚生労働省が公表しました。全国平均の均等割額は、令和6・7年度の50,389円から56,083円に上がり、所得割率は10.21%から10.17%に下がっています。 東京都では、均等割額が47,300円から53,300円、所得割率が9.67%から9.88%でした。都道府県ごとに動き方が違い、均等割は上がっても所得割率は下がる地域もあります。

このため、前年と所得が同じでも保険料が変わることがあります。お住まいの都道府県の料率は都道府県別の保険料率一覧で、全国の並びは保険料率の順位で確かめられます。

4. 賦課限度額が上がった

保険料には年間の上限(賦課限度額)があります。令和7年度は80万円でしたが、令和8年度は医療分が85万円に上がり、子ども・子育て支援金分の2万1千円とあわせて87万1千円です。 所得が高く、前年は上限に当たっていた方は、限度額の引き上げ分だけ保険料が増えることがあります。 上限に届かない所得の方には、この原因は関係しません。

5. 子ども・子育て支援金分が加わった

令和8年度から、後期高齢者医療の保険料にも「子ども・子育て支援金」の分が加わりました。枚方市の案内では、通知書の「子ども分」はこの保険料の略称で、子どもや孫がいるかどうかに関わらず、医療保険のすべての加入者に賦課されます。 厚生労働省の公表では、全国平均の子ども分は均等割1,351円・所得割率0.25%、東京都は均等割1,300円・所得割率0.26%です。 医療分とは別の欄に出るため、前年の通知書にはなかった項目として増えて見えます。 制度の説明は軽減と子ども・子育て支援金にあります。

6. 加入月数が違う

年度の途中に75歳になって加入した、他の都道府県から転入したなどの場合、保険料はその年度の加入月数で計算します。 枚方市の通知書では、(6)に加入(予定)月数、(7)に加入月数が1年未満の場合に減額となる額が出ます。 前年が途中加入で月割りだった方が、今年度は12か月分になると、所得が同じでも前年より増えます。

年金天引きの月ごとの額が7月以降に変わるのは別の理由です。仮徴収と本徴収の違いは仮徴収と本徴収で説明しています。

確かめても分からないとき

6つを確かめても説明がつかない場合は、所得の申告漏れや、世帯の情報が市区町村に正しく届いていないことも考えられます。通知書の内容への問い合わせ先や、申告の確認の考え方は通知書の内容に疑問があるときにまとめています。ご自身の条件での金額の目安は保険料の目安試算で試せます。

この記事について

一般的な制度の説明であり、個々の保険料や軽減の適用を決めるものではありません。実際の保険料は、お住まいの市区町村と広域連合の賦課決定によります。通知書の内容はお住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口にご確認ください。
出典: 枚方市「後期高齢者医療の決定通知書の見方について」(令和8年度、2026年7月10日更新)、東京都保健医療局「保険料の軽減策」(2026年5月15日更新)、厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」(令和8年4月10日発表)、一次資料・出典一覧参照。確認日は2026年10月8日です。