後期高齢者医療の高額療養費の世帯合算(複数の病院・夫婦の合算の計算例)

同じ月に複数の医療機関にかかったとき、夫婦ともに後期高齢者医療の被保険者のときの合算の仕方を、計算例つきで確認できます。

75歳以上の高額療養費は、「外来(個人ごと)」と「外来+入院(世帯ごと)」の2段階で計算します。同じ月に複数の医療機関にかかった分は、医療機関ごとではなく、個人の外来としてまとめて数えます。

ここでは、東京都後期高齢者医療広域連合の案内に書かれた計算の順番と、令和8年8月診療分からの上限額を使って、合算の考え方を整理します。3割の方の区分は3割と高額療養費の区分の違いで扱っています。

2段階の計算

東京都後期高齢者医療広域連合の案内では、1割・2割の方の高額療養費は次の順番で計算します。

  1. 外来(個人ごと):個人ごとに、外来の1か月分すべての自己負担額を合算し、外来(個人ごと)の限度額を差し引いて、外来分の高額療養費を計算します。
  2. 外来+入院(世帯ごと):同じ月に外来と入院の両方を受診している場合や、同じ世帯に被保険者が複数いる場合は、外来の自己負担額(限度額まで達しているときは限度額と同額)と入院の自己負担額を世帯で合算し、世帯の限度額を差し引いて計算します。

支給額は1と2の合計です。世帯に複数の被保険者がいるときは、世帯員ごとの自己負担額に応じて高額療養費を按分して支給します。3割の方は、外来と入院を世帯で合算した限度額だけで計算します。

令和8年8月診療分からの上限額(1割・2割)

令和8年8月診療分から令和9年7月診療分までの額です。愛知県後期高齢者医療広域連合の表では、一般Ⅰ(1割)と一般Ⅱ(2割)が同じ額で、区分Ⅱ・区分Ⅰは1割です。

区分外来(個人ごと)の月額上限外来+入院(世帯ごと)の月額上限
一般Ⅱ(2割)・一般Ⅰ(1割)22,000円(年間上限216,000円)61,500円(多数回該当44,400円)
区分Ⅱ(1割)11,000円(年間上限96,000円)25,700円(多数回該当24,600円)
区分Ⅰ(1割)8,000円15,700円

令和8年7月診療分までは、一般Ⅱ・一般Ⅰの外来(個人ごと)が18,000円、世帯が57,600円でした。毎月の上限額と年間上限の仕組みは、東京都後期高齢者医療広域連合の「高額療養費」のページに表があります。

計算例(複数の病院・夫婦)

次は、一般Ⅰ(1割)の区分で、令和8年8月診療分以降の上限額を使った説明用の計算です。自己負担額は食事代や差額ベッド代を除いた、保険が使える部分だけの額とします。実際の支給額は広域連合が計算します。

場合その月の自己負担額1. 外来(個人ごと)2. 外来+入院(世帯ごと)支給の目安
本人が2つの病院の外来にかかったA病院14,000円+B病院16,000円=30,000円30,000円-22,000円=8,000円外来22,000円で上限61,500円に届かない8,000円
夫婦とも被保険者で、夫が外来30,000円、妻が外来20,000円夫30,000円、妻20,000円夫は8,000円。妻は上限22,000円未満で0円22,000円+20,000円=42,000円で61,500円未満8,000円
夫婦とも被保険者で、夫が外来30,000円、妻が入院50,000円夫30,000円、妻50,000円夫は8,000円22,000円+50,000円=72,000円。72,000円-61,500円=10,500円8,000円+10,500円=18,500円

3行目は、夫の外来が個人の上限(22,000円)に達しているので、世帯の合算では30,000円ではなく22,000円で数えます。この18,500円は夫婦に自己負担額に応じて按分されます。

多数回該当は、診療月を含めた直近12か月間に高額療養費の支給が3回あったときの、4回目以降の上限です。外来(個人ごと)の上限による支給は回数に含みません(東京都後期高齢者医療広域連合の案内)。

合算できないもの・確認できなかったこと

支給の申請は、初回のみ申請書が届いて市区町村の窓口に返送する流れが東京都の案内にあります。ほかの広域連合の違いは高額療養費の申請の広域連合別比較と高額療養費の自動振り込みと外来年間合算の申請で確認できます。窓口での支払いを上限までにする手続きは限度額適用認定証の申請先の比較をご覧ください。

よくある質問

同じ月に複数の病院にかかったとき、病院ごとの自己負担は合算できますか。

合算できます。東京都後期高齢者医療広域連合の案内では、個人ごとに外来の1か月分すべての自己負担額を合算し、外来(個人ごと)の限度額を差し引いて外来分の高額療養費を計算します。令和8年8月診療分以降、一般Ⅰ・一般Ⅱの外来の個人上限は22,000円です。

夫婦で自己負担を合算できますか。

夫婦ともに後期高齢者医療の被保険者で同じ世帯なら、外来(限度額に達しているときは限度額と同額)と入院の自己負担額を世帯で合算し、世帯の限度額(一般Ⅰ・一般Ⅱは61,500円)を差し引いて計算します。夫婦の一方が74歳以下で別の保険に入っている場合の合算は、確認できた案内に書かれていないため、加入先の保険者に確認してください。

外来だけでも世帯の上限を使う計算になりますか。

1割・2割の方は、まず外来(個人ごと)の上限で計算します。外来と入院の両方を受診した月や、同じ世帯に被保険者が複数いる月は、そのあとで世帯の上限を使って計算します。3割の方は、外来と入院を世帯で合算した上限だけで計算します。

合算して支給される場合、申請は必要ですか。

東京都後期高齢者医療広域連合では、支給の対象になる方に診療月から最短で4か月後に申請書が送られ、初回のみ市区町村の窓口に返送します。次回以降は申請なしで振り込まれます。他の広域連合は手順が異なる場合があるため、加入している広域連合に確認してください。

この記事について

一般的な制度の説明と説明用の計算であり、ご自身の区分や高額療養費の支給額を示すものではありません。上限額は制度改正で変わります。実際の支給額は、加入している広域連合が判断します。確認日は2026年10月17日です。

出典:東京都後期高齢者医療広域連合「高額療養費」(更新日 令和8年8月1日)、愛知県後期高齢者医療広域連合「自己負担限度額」、厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」(一次資料・出典一覧参照)。