月の途中で75歳になる人は、誕生日の前は国民健康保険や健康保険、誕生日の後は後期高齢者医療で受診します。両方で限度額まで負担すると、その月だけ負担が2倍になりかねません。これを避けるため、その月の限度額は、前の保険と後期高齢者医療のそれぞれで本来の半額になります(誕生日が1日の人を除く)。
対象になる月と人
- 対象の月は、75歳の誕生日がある月の1か月だけです。
- 誕生日が月の途中の人が対象です。1日生まれの人は対象外です(東京都後期高齢者医療広域連合の案内)。
- 厚生労働省の通知(2009年)は、月の初日以外の日に75歳に達して被保険者になった人を、75歳到達月の自己負担限度額の特例の対象と定めています。
- 限度額は個人ごとに適用されます(東京都後期高齢者医療広域連合の案内)。
金額の例(前の月との比較)
外来の個人ごとの限度額が、令和8年8月診療分以降の表で22,000円の区分を例にします(愛知県後期高齢者医療広域連合の表で確認)。令和8年7月診療分までの表では、一般Ⅱ(2割負担)の外来は18,000円でした(東京都後期高齢者医療広域連合の表)。「半額」は、表の金額を2で割った計算です。前の保険の通常の限度額も後期高齢者医療と同じ額だったと仮定した計算例で、実際の前の保険の額は加入していた保険者に確認してください。
| 診療月 | 前の保険(国保・健保)での限度額 | 後期高齢者医療での限度額 | 2つの合計 |
|---|---|---|---|
| 誕生月の前の月(通常) | 22,000円 | なし(まだ加入していない) | 22,000円 |
| 誕生月(月の途中で75歳) | 11,000円 | 11,000円 | 22,000円 |
| 誕生月の翌月(通常) | なし(脱退済み) | 22,000円 | 22,000円 |
厚生労働省の2008年の資料にも、特例を設けると誕生月の限度額の合計が前の月と同じになり、月の途中に75歳になることだけで負担が増えることはなくなる、と書かれています。令和8年7月診療分までの18,000円の区分なら、誕生月は前の保険9,000円と後期高齢者医療9,000円です。
半額になる範囲・ならない範囲
| 項目 | 特例の扱い |
|---|---|
| 前の保険の限度額 | 半額(両方が半額になる、と東京都後期高齢者医療広域連合が案内) |
| 後期高齢者医療の限度額 | 半額 |
| 外来(個人ごと)の限度額 | 半額(2009年の通知は、特例の対象になる療養の外来限度額を、それぞれ2分の1と定めています) |
| 世帯合算の限度額 | 半額にならない(2008年の厚生労働省の資料では、負担すべき額が残るときは通常の限度額で世帯合算) |
| 入院時の食事代・差額ベッド代 | 高額療養費の対象外(東京都後期高齢者医療広域連合の案内) |
誕生月の後期高齢者医療の分は、窓口の負担割合が1〜3割のどれになるかで限度額の区分が決まります。区分の読み方は窓口負担割合の3割と高額療養費の区分の比較、申請の流れは高額療養費の自動振込みと初回の申請で確認できます。誕生月の保険料の月割りは75歳になった年の保険料、任意継続や会社の健康保険からの切り替えは任意継続・会社の健康保険の本人が75歳になったときをご覧ください。
確認できなかったこと
75歳になる本人に扶養されていた配偶者など、被扶養者側の誕生月の扱いは、2026年10月12日に確認した公式ページの範囲では記載を見つけられませんでした。扶養されていた人の医療費は、その人が加入していた健康保険組合・協会けんぽなどの保険者に確認してください。また、国保の保険者が限度額の半額をどう処理するかの詳細も、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口の案内が正本です。
よくある質問
使えません。東京都後期高齢者医療広域連合は、1日生まれの方を除くと案内しています。誕生日が1日だと、その月の最初から後期高齢者医療に入り、前の保険で受診する期間がないため、限度額は後期高齢者医療の1つだけです。
個人ごとの限度額です。厚生労働省の2008年の資料に、特例は個人ごとに限度額を適用し、負担すべき額が残るときは通常の限度額で世帯合算を行うと書かれています。世帯の限度額そのものは半額になりません。
後期高齢者医療の分は、東京都の場合、支給の対象になると診療月から最短で4か月後に広域連合から申請書が送られます。前の保険(国民健康保険や健康保険)の分は、その保険者への申請になるため、加入していた国民健康保険の窓口や健康保険組合に確認してください。
東京都後期高齢者医療広域連合「高額療養費」(更新日 令和8年8月1日)、愛知県後期高齢者医療広域連合「自己負担限度額」、厚生労働省「75歳到達月の患者負担の限度額が2倍となることについて」(2008年)、厚生労働省通知「後期高齢者医療の高額療養費の支給、食事療養標準負担額及び生活療養標準負担額の減額の取扱いについて」(2009年)。いずれも2026年10月12日に確認。限度額は診療月で変わります。個別の支給の可否は、保険者が判断します。