肝がん・重度肝硬変の医療費助成と後期高齢者医療

肝炎ウイルスが原因の肝がん・重度肝硬変の助成制度の対象と、高額療養費との関係を整理します。

B型・C型肝炎ウイルスが原因の肝がん・重度肝硬変の治療では、後期高齢者医療の被保険者も、都道府県の「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業」で自己負担が月1万円になるよう助成を受けられる場合があります。

ここでは、厚生労働省のページと医療機関向け資料をもとに、対象の要件、高額療養費との関係、後期高齢者の窓口負担割合ごとの提出書類の分け方、申請先を整理します。個別に助成が受けられるかどうかは、都道府県の窓口の判断になります。

助成の対象になる要件

厚生労働省のページでは、助成の主な要件として次の4つが挙げられています。

助成が行われる2月目以降は、都道府県が指定する指定医療機関で治療を受けている必要があります。参加者証の交付には、研究班への臨床情報の提供に同意(臨床調査個人票と同意書の提出)することも要件です。

高額療養費との関係と自己負担1万円

この助成は、高額療養費の上限を超えた月が2月目以降になったときに、その月の自己負担が1万円になるよう都道府県が助成する仕組みです。1月目は通常どおり、高額療養費の上限額までの自己負担になります。

対象になる前提は、治療の自己負担が高額療養費の算定基準額を超えている月があることです。外来だけの通院でも、肝がんで分子標的薬などを使う治療なら対象になりえます。上限額の区分は負担割合別の年間の自己負担で確認できます。申請の手順は高額療養費の申請方法の比較、区分ごとの上限額は負担割合と高額療養費の区分も参照してください。

令和6年2月の厚生労働省の資料では、この事業で助成を受けた延べ件数は令和4年度に4,202件とされています。制度の要件は見直されることがあるため、申請の前に最新の内容を窓口で確認してください。

後期高齢者医療の被保険者の扱い

参加者証の交付要件には、「高齢者の医療の確保に関する法律の規定による被保険者」、つまり後期高齢者医療の被保険者が含まれています。年収の目安は約370万円以下で、医療機関向け資料の提出書類の一覧では、75歳以上が次の区分に分かれています。

どの区分も、臨床調査個人票と同意書、高額療養費の算定基準額を超えた月がわかる医療記録票の写しが必要とされています。窓口負担の割合の見分け方は窓口負担割合の判定ページにあります。

申請先と確認すること

事業の実施主体は都道府県です。申請は、お住まいの都道府県の担当窓口で行います。指定医療機関は、厚生労働省のページに案内のある肝炎医療ナビゲーションシステムで探せます。

高額療養費の仕組みの全体は高額療養費の自動振り込みと外来年間合算の申請、がん全般の治療費はがん治療と後期高齢者医療、ほかの公費助成は難病の医療費助成と後期高齢者医療で整理しています。

よくある質問

75歳以上でも肝がん・重度肝硬変の医療費助成を受けられますか。

厚生労働省のページの参加者証の要件に、後期高齢者医療の被保険者が含まれています。B型・C型肝炎ウイルスが原因であること、年収約370万円以下などの要件を満たすかは、都道府県の窓口で確認してください。

自己負担はいくらになりますか。

高額療養費の算定基準額を超えた月が2月目以降になる月に、自己負担が1万円になるよう助成されます。1月目は通常の高額療養費の上限までの負担です。

どこに申請しますか。

事業の実施主体は都道府県です。お住まいの都道府県の担当窓口に確認してください。

この記事について

一般的な制度の説明であり、個別の助成の可否や自己負担額を示すものではありません。確認日は令和8年10月15日です。
出典:厚生労働省 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業、取扱いマニュアル(医療機関向け)【資料集】、第32回肝炎対策推進協議会 資料2(一次資料・出典一覧参照)。