インスリンなどを自宅で自己注射する場合、通院のたびに診察料などに加えて在宅自己注射指導管理料が月に1回かかり、窓口で払う割合は1割・2割・3割のいずれかです。
ここでは、厚生労働省の令和8年度の医科点数表をもとに、指導管理料と血糖自己測定器加算の点数、窓口負担の目安、高額療養費との関係を整理します。注射薬の薬剤費、血糖測定器の消耗品の実費、診察料や検査料は含みません。
在宅自己注射指導管理料の点数
点数表(区分C101)では、厚生労働大臣が定める注射薬を自己注射している入院中でない患者に、自己注射の指導管理を行った場合に算定するとされています。点数は次のとおりです。
- 複雑な場合:1,230点
- 複雑な場合以外で、月27回以下の注射:650点
- 複雑な場合以外で、月28回以上の注射:750点
初回の指導の月から3月以内は、導入初期加算として月580点が加わります。処方内容が変わったときも、1回に限り加算されることがあります。バイオ後続品を処方して説明した場合の加算は150点(初回処方の月から3月まで)です。
同じ月に外来腫瘍化学療法診療料などを算定している患者は、この管理料を算定できません。別の在宅療養指導管理料もあわせて行う場合は、主たる指導管理の点数だけで算定されます。
血糖自己測定器加算と3月に3回の制限
インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている患者などが血糖自己測定の指導を受けて測定器を使う場合、血糖自己測定器加算が管理料に加わります。点数は、月20回以上の測定で350点、30回以上で465点、40回以上で580点、60回以上で830点です。90回以上(1,170点)と120回以上(1,490点)は、1型糖尿病・膵全摘後・12歳未満の小児低血糖症・妊娠中の糖尿病などの患者が対象です。間歇スキャン式持続血糖測定器は1,250点です。
このような在宅療養指導管理材料加算は、3月に3回に限って算定するのが通則です。毎月の通院でも、測定器の加算がつかない月があります。
窓口負担の目安
1点は10円です。複雑な場合以外で月27回以下の注射なら、管理料650点は6,500円で、窓口で払うのは1割で約650円、2割で約1,300円、3割で約1,950円です。血糖自己測定器加算の月20回以上(350点)がつく月は、合計1,000点(10,000円)で、1割なら約1,000円、2割なら約2,000円、3割なら約3,000円です。
- 上の額は、管理料と加算の点数だけから計算した目安です。注射薬の薬剤費、診察料、検査料は別にかかります。
- 点数表に載る点数を示したもので、個別の請求額は医療機関の明細で確認が必要です。
- 2割負担の方の外来の増え方を抑える配慮措置は、2割負担の配慮措置のページで確認できます。
高額療養費との関係
在宅自己注射の管理料は毎月かかる費用ですが、外来の自己負担には月ごとの上限(高額療養費)があり、負担割合や所得の区分で決まります。区分ごとの上限額は高額療養費の区分のページと負担割合別の年間の自己負担で表にしています。
上限は同じ月の外来の自己負担を合計して見ます。注射薬や調剤薬局での薬代がかさむ月は、管理料の目安より大きな額になることがあります。上限を超えた分は、高額療養費の自動振り込みの対象になりえます。症状が安定していて毎月の通院が負担なときは、リフィル処方箋の使い方も確かめられます。
受診前に確認すること
- 使っている注射薬が、点数表で定める自己注射の対象薬か
- 注射の回数が月27回以下か28回以上か(管理料の点数が変わります)
- 血糖自己測定器加算が算定される月と、されない月
- 窓口の負担割合と、2割の配慮措置の対象になるか
よくある質問
インスリンの自己注射をしていると、窓口負担はいくらですか。
管理料だけなら、月27回以下の注射で650点(6,500円)に負担割合をかけた額で、1割なら約650円です。血糖測定器加算や注射薬の薬剤費、診察料は別にかかるため、合計は医療機関の明細で確認してください。
血糖測定器の加算は毎月つきますか。
点数表の通則で、在宅療養指導管理材料加算は3月に3回に限り算定するとされています。毎月はつかない月があります。
自己注射の費用にも高額療養費の上限は使えますか。
外来の自己負担は、月ごとの上限の対象です。同じ月の外来と薬代を合計して見ます。上限額は負担割合と所得の区分で決まります。
一般的な制度の説明であり、個別の治療の費用や自己負担額を示すものではありません。確認日は令和8年10月15日です。
出典:厚生労働省告示第69号 医科点数表(区分C101・C150・第2款通則)(一次資料・出典一覧参照)。