先進医療などの保険外併用療養費制度では、先進医療の技術料は全額が自己負担で、診察・検査・投薬・入院料など保険診療と共通する部分は、通常の保険診療と同じ窓口負担割合で扱われます。 ここでは、厚生労働省の資料をもとに、評価療養・患者申出療養・選定療養の3区分の違いと、後期高齢者医療の窓口負担との関係を整理します。技術料の金額は医療の種類や病院で異なるため、このページでは示しません。
3区分の違い
厚生労働省の「保険外併用療養費制度について」では、保険診療との併用が認められている療養を次の3つに分けています。
- 評価療養:保険導入のための評価を行うもの。先進医療、治験に係る診療、薬事承認後で保険収載前の医薬品・医療機器の使用などです。
- 患者申出療養:未承認薬などを迅速に保険外併用療養として使いたいという患者の申出を起点にする仕組みで、将来の保険適用につなげるためのデータを集めることが目的です。
- 選定療養:保険導入を前提としないもの。特別の療養環境(差額ベッド)、大病院の初診・再診、180日以上の入院、水晶体再建に使用する多焦点眼内レンズなどです。
選定療養の例は紹介状なしで大病院を受診したときの特別の料金と白内障の手術と後期高齢者医療で整理しています。
技術料は全額自己負担、共通部分は保険診療
厚生労働省の先進医療の案内では、費用は次のように扱われます。
- 「先進医療に係る費用」は、患者が全額を自己負担します。金額は医療の種類や病院によって異なります。
- 診察・検査・投薬・入院料など、通常の治療と共通する部分は一般の保険診療と同様に扱われ、各健康保険制度の一部負担金を支払います。
同じ案内の例では、総医療費が100万円で、うち先進医療に係る費用が20万円のとき、20万円は全額自己負担、残り80万円は保険給付の対象で、窓口で払うのは自己負担割合(例は3割で24万円)をかけた額です。後期高齢者医療では、この割合が1割・2割・3割のいずれかになります。患者申出療養も、患者申出療養に係る費用は全額自己負担で、一般の診療と共通する部分には保険が適用されると、同じ資料に書かれています。
高額療養費との関係
厚生労働省の案内には、保険給付に係る一部負担には高額療養費制度が適用されるとあります。つまり、保険診療と共通する部分の自己負担には高額療養費の上限が使え、技術料の全額自己負担分は、この上限の計算に含まれない扱いです。上限額は負担割合別の年間の自己負担と限度額適用認定証の申請先の比較で確認できます。
食事代・差額ベッド代・文書料との違いは窓口負担割合に含まれない費用の一覧で整理しています。
受ける前に確認すること
- その医療が評価療養(先進医療など)・患者申出療養・選定療養のどれか
- 技術料の額と、保険診療の部分の見込み
- 病院の掲示、説明、同意書への署名、金額ごとに分かれた領収書(厚生労働省の案内で定められている取扱い)
- 領収書は医療費控除に使うため保管すること
よくある質問
先進医療を受けると、自己負担はどうなりますか。
厚生労働省の案内では、先進医療に係る費用(技術料)は全額自己負担です。診察・検査・投薬・入院料など通常の治療と共通する部分は保険診療として扱われ、後期高齢者医療では1割・2割・3割のいずれかの窓口負担になります。技術料の金額は医療の種類や病院で異なります。
先進医療の技術料は、高額療養費の対象になりますか。
対象になりません。厚生労働省の案内では、保険給付に係る一部負担には高額療養費制度が適用されるとされ、技術料の全額自己負担分は上限の計算に含まれない扱いです。
評価療養と選定療養はどう違いますか。
評価療養は保険導入のための評価を行うもの(先進医療など)、選定療養は保険導入を前提としないもの(差額ベッド、大病院の初診・再診、多焦点眼内レンズなど)です。患者申出療養は、患者の申出を起点に将来の保険適用につなげるための仕組みです。
一般的な制度の説明であり、個別の医療の費用や自己負担額を示すものではありません。確認日は令和8年10月12日です。
出典:厚生労働省「先進医療の概要について」、厚生労働省「保険外併用療養費制度について」(一次資料・出典一覧参照)。