認知症があっても、後期高齢者医療の窓口負担割合は所得で決まる1割・2割・3割のままです。保険料を家族が納めるときは、年金から天引きされている場合と、納付書や口座振替で払う場合で、家族の義務が変わります。
ここでは、法律の条文と本サイトで確認済みの内容をもとに、家族が知っておきたい点をまとめます。介護保険のサービスや認定の話は、このページでは扱いません。
窓口負担割合は認知症では変わらない
窓口で払う割合は、本人の課税所得や年金収入などの所得の区分で、1割・2割・3割のいずれかに決まります。認知症であるかどうかや、介護が必要かどうかで、割合が変わる仕組みではありません。判定の基準と、世帯の収入で判定する流れは窓口負担割合の判定ページで確認できます。
医療費の自己負担が月ごとに高額になったときの上限は、割合ではなく所得の区分で決まります。区分の違いは窓口負担割合と高額療養費の区分の違いで整理しています。
保険料の払い方:年金天引きと普通徴収
後期高齢者医療の保険料の集め方には、年金から天引きされる特別徴収と、納入通知書などで本人や家族が納める普通徴収があります。高齢者の医療の確保に関する法律第107条は、特別徴収の場合を除いて、普通徴収の方法によると定めています。
- 年金天引き(特別徴収)の場合は、年金から差し引かれるため、家族が納付書で払う手間はありません。
- 納付書や口座振替で払う普通徴収の場合は、納入の通知が、保険料を課せられた本人のほか、同じ世帯の世帯主や配偶者にも出せることが、同条に書かれています。
払い方の種類と、納め忘れを防ぐ方法は、保険料を滞納するとどうなるかと滞納したときの対応の比較で整理しています。
世帯主と配偶者の連帯納付義務
同法第108条は、市町村が保険料を普通徴収で集めようとするとき、次のように定めています。
- 被保険者本人は、保険料を納付しなければならない。
- 世帯主は、同じ世帯に属する被保険者の保険料を、連帯して納付する義務を負う。
- 配偶者の一方は、被保険者である他方の保険料を、連帯して納付する義務を負う。
つまり、認知症の方本人が納められない場合でも、普通徴収であれば、世帯主や配偶者に納付の義務が及びます。この義務は条文上、普通徴収の場合の定めで、年金から天引きされている分には当たりません。滞納が続いたときの流れは保険料を滞納するとどうなるかに整理しています。
払うのが難しいときは、減免や軽減の制度があります。一般的な条件は保険料の減免で確認し、適用できるかどうかは、お住まいの広域連合に問い合わせてください。
本人が手続きできないとき
申請や届出を家族が代わりに行うときの委任状、成年後見人がいる場合の書類は、親の後期高齢者医療を代理で手続きする方法にまとめています。窓口によって求める書類が異なるため、事前に広域連合か市区町村の窓口に確認してください。
認知症の相談先や公的な事業を困りごと別に選ぶには、認知症の公的な窓口・事業を困りごと別に選ぶ(親の介護の準備ガイド)が参考になります。
よくある質問
認知症だと、窓口負担割合は変わりますか。
変わりません。窓口負担割合は所得の区分で1割・2割・3割のいずれかに決まり、認知症の有無では変わりません。
認知症の親の保険料を家族が納めなければならないことはありますか。
納付書や口座振替で払う普通徴収の場合、高齢者の医療の確保に関する法律第108条により、世帯主と配偶者は連帯して納付する義務を負います。年金から天引きされている場合は、この条文の対象ではありません。
保険料の払い方が分からなくなったときは、どこに聞きますか。
お住まいの市区町村の後期高齢者医療の窓口、または都道府県の後期高齢者医療広域連合に問い合わせます。代理で手続きするときに必要な書類は、窓口ごとに異なります。
一般的な制度の説明であり、個別の世帯の納付義務や保険料の額を示すものではありません。確認日は令和8年10月14日です。
出典:高齢者の医療の確保に関する法律(第107条・第108条、e-Gov法令検索)(一次資料・出典一覧参照)。