机の上に置かれた聴診器

慢性腎臓病・心不全の通院の窓口負担(診療報酬の項目と1〜3割の額)

病名に固有の管理料・指導料・加算を点数表で確認し、窓口で払う額に直します。

慢性腎臓病や心不全で通院が続くと、診察料や薬代のほかに、病名ごとに決まった管理料・指導料・加算が加わることがあります。厚生労働省の点数表で確認できた項目は、腎代替療法指導管理料が500点、心臓疾患の減塩食の栄養指導が初回260点、地域包括診療加算が28点で、窓口で払うのは点数に10円をかけた額の1割・2割・3割です。

月の外来上限(一般22,000円など)の表は、負担割合別の年間自己負担と高額療養費の自動振り込みに任せ、このページでは再掲しません。透析に入った後の負担は含めていません。

慢性腎臓病:腎代替療法指導管理料(500点)

腎機能が下がり、血液透析・腹膜透析・腎移植のどれを選ぶかを考える時期に、医師と看護師が30分以上かけて説明する外来の管理料です。点数表では500点(情報通信機器を用いた場合は435点)で、患者1人につき2回までしか算定できません。

対象は、慢性腎臓病の患者で、3月前までの直近2回のeGFR(腎臓がどれだけ血液をろ過できるかを示す検査値)がいずれも30未満の場合などです。急速に腎機能が落ちた場合も対象になります。すでに腎代替療法を始めた後の患者は含まれません。窓口額は次のとおりです。

項目点数1割2割3割
腎代替療法指導管理料(1回)500点500円1,000円1,500円

2回目を算定するときは、医療上の必要性が診療報酬明細書に記載されます。腎臓内科の経験がある常勤医師などがいる医療機関が届け出た場合に限られるため、通っている病院が算定できるかは窓口で確認してください。

心不全:減塩食の外来栄養食事指導(260点・200点)

外来栄養食事指導料は、医師が必要と認めた特別食の患者に、管理栄養士が食事計画を示して栄養の指導をした場合の点数です。留意事項通知では、特別食に「心臓疾患及び妊娠高血圧症候群等の患者に対する減塩食」が含まれると書かれています。心不全で塩分を控える指導を受けるときが、これに当たります。

指導時間は初回が概ね30分以上、2回目以降が概ね20分以上です。外来栄養食事指導料1(対面)の点数と窓口額は次のとおりです。

項目(対面)点数1割2割3割
初回260点260円520円780円
2回目以降200点200円400円600円

算定は、初回を行った月は月2回まで、その他の月は月1回までです。指導の実施主体が異なる外来栄養食事指導料2では、点数表の点数が初回250点・2回目以降190点と別に定められています。慢性腎臓病の食事指導が対象の特別食に当たるかは、このページでは確認できていないため示しません。主治医に確認してください。

どちらにも:地域包括診療加算(28点)

診療所が届け出ると、再診料に上乗せされる加算です。点数表では、地域包括診療加算1が、その他の慢性疾患等を有する患者で28点、認知症を有する患者等で38点、加算2は21点と31点です。

対象の慢性疾患は、脂質異常症、高血圧症、糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病(慢性維持透析をしていないもの)、認知症の6疾病です。このうち2つ以上がある患者、または脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病のどれか1つがあり、かつ要介護認定を受けている患者が対象になります。担当医を決め、服薬や生活の指導も受ける形です。

項目点数1割2割3割
地域包括診療加算1(慢性疾患等)28点28円56円84円
地域包括診療加算2(慢性疾患等)21点21円42円63円

病院ではなく診療所の加算で、すべての診療所が届け出ているわけではありません。領収書の明細に「地域包括診療加算」とあるかで確認できます。

心不全のリハビリは別ページ

心不全の外来で心臓リハビリテーションを受けるときの算定日数(150日)と上限の考え方は、心大血管疾患リハビリテーションと後期高齢者医療と疾患別リハビリの算定日数の上限にまとめています。

ひと月の例

ある月に、慢性心不全と慢性腎臓病の両方がある人が、地域包括診療加算1(28点)を届け出た診療所に月2回通い、初回の減塩食の栄養指導を1回受けたと仮定します。診察料、検査料、薬剤料は別なので含めません。

内訳点数医療費(10割)
地域包括診療加算1 28点×2回56点560円
外来栄養食事指導料1(初回・対面)260点2,600円
合計316点3,160円

この3,160円の窓口額は、1割で316円、2割で632円、3割で948円です。診察料や薬代が加わるため、実際の額は領収書で確認してください。

よくある質問

腎代替療法指導管理料は、透析を始める人だけが払うのですか。

透析を始める前に、血液透析・腹膜透析・腎移植のどれを選ぶかの説明を受ける段階の管理料です。直近2回のeGFRがいずれも30未満の慢性腎臓病の患者などが対象で、透析を始めた後の患者は含まれません。患者1人につき2回までです。

心不全の減塩食の栄養指導は、保険が使えますか。

留意事項通知では、特別食に心臓疾患の患者に対する減塩食が含まれます。医師が必要と認めた場合に、管理栄養士の指導が外来栄養食事指導料として算定されます。初回は対面で260点、窓口は1割260円です。

地域包括診療加算は、必ず払うのですか。

届出をした診療所で、対象の慢性疾患が2つ以上ある患者などに、担当医が指導と診療をしたときの加算です。慢性心不全と慢性腎臓病は対象の疾病に入っています。算定されているかは領収書の明細で確認できます。

この記事について

一般的な制度の説明であり、個別の治療の費用や保険適用の可否を示すものではありません。確認日は令和8年10月20日です。
出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬点数表(再診料の注12・B001の9・B001の31)、同 医科診療報酬点数表に関する事項(留意事項通知)(一次資料・出典一覧参照)。