配偶者が亡くなって単身世帯になったとき、後期高齢者医療の窓口負担割合はどう変わるか

世帯の被保険者が2人から1人になると、窓口負担割合2割の判定に使う基準額が変わります。何が変わり、何が変わらないかを整理します。

後期高齢者医療の窓口負担割合(1〜3割)は、住民票上の世帯単位で判定されます。世帯の被保険者数によって、2割負担の判定に使う基準額そのものが変わります。配偶者が亡くなり、世帯の被保険者がそれまでの2人から1人になったとき、判定基準・保険料でそれぞれ何が変わるのかを、公式ページで確認できた範囲で整理します。個別の判定はこの記事では行いません。

窓口負担割合2割の基準額は、被保険者数で変わる

政府広報オンラインによると、後期高齢者医療の窓口負担割合が「2割」になるのは、(1)同じ世帯の被保険者の中に課税所得が28万円以上の人がいて、かつ(2)同じ世帯の被保険者の「年金収入」+「その他の合計所得金額」の合計額が、被保険者が世帯に1人の場合は200万円以上、2人以上の場合は合計320万円以上であるときです。神奈川県後期高齢者医療広域連合も同じ基準額を案内しています。

世帯の被保険者が2人から1人になると、この基準額が「合計320万円以上」から「200万円以上」に変わります。それまで2人分を合計しても320万円未満だった世帯でも、残った1人の年金収入等が200万円以上あれば、2割負担の基準に該当する可能性が生まれます。反対に、亡くなった方の年金収入等が多く合計額を押し上げていた場合は、1人になったことで基準額を下回ることもあります。どちらになるかは残った方の年金収入等の金額によって決まり、この記事では判定しません。窓口負担割合の判定基準そのものは国民健康保険・健康保険との違いでも解説しています。

亡くなった本人の保険料は月割りで精算される

横浜市の案内によると、後期高齢者医療の被保険者が年度の途中で亡くなった場合、資格を喪失した日(死亡日の翌日)の属する月の前月まで、月割りで保険料を負担します(例: 8月に資格を喪失した場合は4月から7月までの4か月相当分)。これは亡くなった本人の保険料の精算であり、残された配偶者の保険料が月割りになるわけではありません。資格喪失や葬祭費の手続き全体は被保険者が亡くなったときの手続きで説明しています。

均等割の軽減判定も世帯単位で見る

保険料の均等割額の軽減は、同じ世帯の被保険者全員と世帯主の総所得金額等を合計した額で判定され、世帯主が被保険者でなくても世帯主の所得は判定の対象になります(杉並区・千葉県後期高齢者医療広域連合の案内)。世帯の被保険者が1人になれば、合計する対象の人数も変わるため、軽減の判定に使う合計額が変わりえます。ただし、軽減の割合が上がるか下がるかは世帯ごとの所得の組み合わせ次第で、この記事では判定しません。世帯の判定の仕組み全体は世帯分離で何が変わるかで説明しています。

遺族年金は「年金収入」に含まれない

配偶者の死亡後、遺族年金を受け取る場合、遺族年金は窓口負担割合の判定に使う「年金収入」には含まれません。神奈川県後期高齢者医療広域連合は、「年金収入」は公的年金控除等を差し引く前の金額で、遺族年金や障害年金は含まないと案内しています。老齢年金など課税対象の年金と扱いが異なる点は遺族年金・障害年金は保険料・窓口負担割合の判定に含まれるかで詳しく説明しています。

確認できなかったこと

今回確認した公式ページには、年度の途中で世帯の被保険者数が変わったとき(配偶者の死亡等)に、残された方の窓口負担割合の判定がいつから切り替わるかは書かれていませんでした。この点は未確認のため記載していません。窓口負担割合は毎年8月1日を基準日として見直されますが、年度途中の世帯変更への反映時期は、お住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口でご確認ください。

このサイトの判定・試算ページで世帯を入力するとき

窓口負担割合判定ページは、世帯の75歳以上の人数と、世帯全員分の年金収入+その他の合計所得金額の合計を入力します。世帯の被保険者が1人になった場合は、人数を1人に変え、残った方の年金収入等だけを入力すると、変わったあとの目安を確認できます。保険料の目安試算ページも同様に、世帯の人数と所得を入れ直すことで、変わったあとの目安を確認できます。どちらも一般的な目安で、実際の判定は広域連合が行います。

この記事について

窓口負担割合・保険料の判定の運用は、お住まいの市区町村・広域連合によって異なる場合があります。一般的な制度の説明であり、個別のケースでどうなるかを判断するものではありません。正確な取り扱いは、お住まいの市区町村の後期高齢者医療担当窓口にご確認ください。
被保険者が亡くなったときの手続き全体は被保険者が亡くなったときの手続き、世帯分離の仕組みは世帯分離で何が変わるかもあわせてご覧ください。
出典: 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」、神奈川県後期高齢者医療広域連合「負担割合について」、杉並区「保険料の軽減措置(後期高齢者医療制度)」、千葉県後期高齢者医療広域連合「保険料額の軽減について」、横浜市「後期高齢者医療制度の被保険者が年度途中で死亡した場合、保険料はどうなりますか。」(一次資料・出典一覧参照)。各ページの確認日は2026年9月23日です。