入れ歯(義歯)を作る・直す診療が保険診療であれば、窓口で支払う割合は所得に応じた1割・2割・3割です。ただし、素材や種類によっては保険の対象にならず、その部分は全額の負担になります。作る前に、保険でできる範囲と費用を歯科医院で確認することが大切です。
入れ歯の窓口負担の割合
入れ歯(有床義歯)を作る・直す診療が保険診療であれば、窓口で支払う割合は、ほかの診療と同じ1割・2割・3割です。高齢者の医療の確保に関する法律第67条は、一部負担金を診療科で分けずに10%、20%、30%と定めています。どの割合になるかは窓口負担割合の判定で確認できます。資格確認書などに記載された「一部負担金の割合」でも確認できます。
保険がきく入れ歯の範囲
厚生労働省の歯科診療報酬点数表には、入れ歯の装着、修理、作ったあとの管理が保険診療の項目として載っています。保険でできる入れ歯の種類や条件は、治療前に歯科医院で確認することが大切です。作り直しの間隔の条件は、このページでは確認できた範囲を超えるため示しません。
新しい入れ歯の管理料で見る窓口負担
令和8年6月の診療報酬改定で、新しく作った入れ歯を装着した月に算定する新製有床義歯管理料は、1口腔ごとから入れ歯1つ(1装置)ごとの評価に変わりました。局部義歯(部分入れ歯)も総義歯(総入れ歯)も140点です(改定前は190点または230点。厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」)。1点は10円なので、この管理料だけを取り出すと次の額です。
| 窓口負担割合 | 新製有床義歯管理料(140点・1,400円)の自己負担 |
|---|---|
| 1割 | 140円 |
| 2割 | 280円 |
| 3割 | 420円 |
入れ歯の費用は、型をとる、かみ合わせを決める、試しに合わせる、入れ歯を作る、装着するといった診療行為の点数を足し合わせたものです。その合計は入れ歯の種類や本数によって変わり、このページでは総額を示せません。同じ改定で、入れ歯の使い心地を調整する歯科口腔リハビリテーション料1(有床義歯の場合)は114点とされ、新製有床義歯管理料と同じ月にも算定できる運用になりました。
自費になる入れ歯との違い
入れ歯の素材や種類によっては、保険の対象にならないものがあります。厚生労働省の「保険外併用療養費制度について」のページでは、選定療養の類型の1つに「金属床総義歯」が載っています。選定療養は、患者の選択により特別の料金を支払うことで、保険外の診療と保険診療を併用する仕組みです。
保険の対象にならない部分の費用は、1〜3割の計算とは別に、患者が負担します。金額は歯科医院ごとに異なり、このページでは示せません。治療を決める前に、見積もりと保険でできる入れ歯との違いを確認してください。
高額になったとき
高額療養費は、保険が使える診療の自己負担額が対象です。厚生労働省の資料では、入院時の食費や差額ベッド代、先進医療の費用などは対象に含まれません。そのため、金属床の特別料金のように保険の対象でない部分は、上限額の計算に入らないと考えられます。保険診療の入れ歯の費用は、同じ月の他の外来の自己負担と合算して計算されます。
外来の1か月の上限額は、令和8年8月診療分から、2割の方(一般Ⅱ)で22,000円(年間上限216,000円)です(東京都後期高齢者医療広域連合の案内による。他の区分は窓口負担割合と高額療養費の区分で確認できます)。入れ歯の総額は種類や診療内容で変わるため、上限額に届くかどうかは、歯科医院の請求額と他の外来の自己負担を合わせて確認してください。
確認する先
割合は資格確認書で、入れ歯の種類と費用は歯科医院で、高額療養費は広域連合で確認できます。自宅へ歯科医師が来る場合は歯科診療・訪問歯科診療の窓口負担を、歯科健診は後期高齢者の歯科健診をご覧ください。お住まいの広域連合は都道府県別の一覧から探せます。
よくある質問
入れ歯の窓口負担も1〜3割ですか。
保険診療の入れ歯であれば、ほかの診療と同じく医療費の1割・2割・3割です。割合は資格確認書などの「一部負担金の割合」で確認できます。
金属床の入れ歯は保険がききますか。
厚生労働省の資料では、金属床総義歯は選定療養の類型として載っており、患者の選択により特別の料金を支払う仕組みです。金額は歯科医院ごとに異なるため、見積もりを確認してください。
入れ歯を直す費用も保険の対象ですか。
歯科診療報酬点数表に有床義歯修理の項目があり、保険診療として算定されます。窓口負担は1〜3割です。ただし診療内容により異なるため、歯科医院に確認してください。
一般的な制度の説明であり、個別の費用や受診の可否の判断は行っていません。確認日は令和8年10月12日です。
出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【歯科】」、高齢者の医療の確保に関する法律(第64条・第67条・第84条)、厚生労働省「保険外併用療養費制度について」、東京都後期高齢者医療広域連合「高額療養費」、厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(一次資料・出典一覧参照)。