補聴器や眼鏡の購入費は、このサイトが扱う後期高齢者医療の療養費(コルセットなどの治療用装具)の案内には含まれていません。確認できた公的な仕組みは、税の医療費控除と、障害者総合支援法の補装具費の2つです。どちらも後期高齢者医療広域連合ではなく、税務署や市町村が窓口になります。
治療用装具の療養費との違い
治療用装具の療養費は、医師の指示でコルセットなどを作り、全額を払ったあとに広域連合へ申請して払い戻しを受ける仕組みです。補聴器と眼鏡については、後期高齢者医療の給付として案内している一次資料を、今回は確認できていません。そのため、このページでは給付の対象になるとは書かず、確認できた別の制度だけを紹介します。個別の購入が対象になるかは、加入している広域連合や市区町村の窓口に確認してください。
補聴器:医療費控除と補装具費
医療費控除
国税庁は、厚生労働省からの照会への回答として、補聴器の購入費用の扱いを示しています。耳鼻咽喉科学会が認定した補聴器相談医が「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」で、補聴器が診療等のために直接必要である旨を証明している場合は、一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が医療費控除の対象になります。医師の証明がない購入が同じ扱いになるかは、この回答からは分かりません。購入前に補聴器相談医に診てもらい、書類を受け取ってから購入する流れで確認してください。
国税庁の「医療費控除の対象となる医療費」でも、医師等による診療や治療を受けるために直接必要な補聴器、眼鏡などの購入費用は対象に挙げられています。控除の対象になるのは、1年間に払った医療費が一定額を超えた分です。
補装具費(障害者総合支援法)
厚生労働省の補装具費支給制度の概要では、補装具の種目に眼鏡と補聴器が含まれています。実施主体は市町村で、障害者が市町村長に申請し、身体障害者更生相談所等の判定または意見に基づく市町村長の決定で支給されます。利用者負担は原則1割で、世帯の所得に応じた月額の上限があります(市町村民税非課税世帯は0円、課税世帯は37,200円)。障害者または配偶者のうち市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上の場合は、支給の対象外です。
対象は「補装具を必要とする障害者、障害児、難病患者等」です。聴覚の障害で対象になるかどうかは、障害者手帳の有無や等級を含めて、市町村の障害福祉の窓口で確認します。この制度は後期高齢者医療の窓口負担割合(1〜3割)とは別の1割負担です。
眼鏡:医療費控除の対象になる場合
国税庁の質疑応答事例では、一般的な近視や遠視の矯正のための眼鏡の購入費用は医療費控除の対象にならないとされています。一方、医師等の治療を受けるため直接必要な眼鏡は対象になります。例として、白内障の患者が術後の創口の保護と視機能回復のために一定期間装用する眼鏡が挙げられています。
対象になるには、医師による治療を必要とする症状があり、かつ治療が現に行われていることが必要です。国税庁の事例は、厚生労働省が日本眼科医会に指導した内容として、対象の疾病に弱視、斜視、白内障、緑内障などを挙げ、疾病名と症状を医師が処方せんに記載して証明するとしています。眼鏡のフレームは、一般的な材料のものなら対象で、特別に高価なものや装飾を施したものは対象外です。
自治体の助成の確認
市区町村が独自に補聴器の購入費を助成している場合がありますが、有無・対象者・金額は自治体ごとに異なり、このサイトでは個別の金額を扱いません。住んでいる市区町村の高齢福祉または障害福祉の窓口に、次の点を聞いてください。
- 助成制度があるか、対象は障害者手帳の所持者に限られるか
- 購入前の申請が必要か、医師の書類(補聴器相談医の診療情報提供書など)が必要か
- 申請の期限と、領収書など提出書類
医療費の払い戻しや控除を使うときは、医療費のお知らせの見方や、はり・きゅう・マッサージの療養費のような、同じく自分で申請する給付との違いも確認すると整理しやすくなります。
一般的な制度の説明であり、個別の購入が対象になるかの判断は行っていません。確認日は令和8年10月10日です。
出典:国税庁「補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)」、国税庁タックスアンサーNo.1122、国税庁質疑応答事例「医師による治療のため直接必要な眼鏡の購入費用」、厚生労働省「補装具費支給制度の概要」(一次資料・出典一覧参照)。