机の上に置かれた聴診器

後期高齢者医療でおむつ代は対象か(保険外の範囲・入院中の扱い・医療費控除の証明書)

おむつ代が保険診療の窓口負担に入るか、入院中にどんな条件で請求されるか、確定申告で使う証明書は何かを整理します。

後期高齢者医療では、おむつ代は1〜3割の窓口負担の対象になりません。入院中のおむつ代は、病院が同意書と料金の掲示にもとづいて受け取る実費です。確定申告の医療費控除に使えるのは、医師の証明書などの条件を満たす場合に限られます。

保険の対象かどうか

厚生労働省の通知「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」は、保険診療とは別に費用を受け取れるものとして、「日常生活上のサービスに係る費用」におむつ代、尿とりパット代、腹帯代、T字帯代を挙げています。つまり、おむつ代は後期高齢者医療の給付(1〜3割の窓口負担)の対象にならず、病院が定めた実費を払います。

保険の対象とならない費用は高額療養費の上限の計算にも入りません。ほかの保険外の費用との区別は窓口負担割合に含まれない費用の一覧にまとめています。

入院中のおむつ代と同意書

同じ通知は、病院が入院中のおむつ代を受け取るときの条件を次のように定めています。

また、同じ通知は、おむつの処理費用や、おむつ交換のときに使う手袋代は、診療の費用に含まれるものとして、患者から別に受け取れない費用に挙げています。入院の説明で渡される同意書と料金表に、何の費用がいくらと書かれているかを確認してください。

おむつを自分で用意して持ち込めるかどうかは、通知には書かれていません。病院ごとに運用が異なるため、入院前に窓口で聞いてください。

医療費控除と証明書

国税庁のタックスアンサー No.1122 は、傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代を医療費控除の対象に挙げ、この場合は医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要としています。介護保険の要介護認定を受けている一定の人は、市町村長等が交付するおむつ使用の確認書等を証明書の代わりにできます。

入院中に病院へ払ったおむつ代を、この条件で控除に入れられるかは、確認した国税庁の案内に書かれていません。領収証と、証明書または確認書を保管し、申告の前に税務署へ確認してください。控除全体の考え方は後期高齢者医療の医療費控除で整理しています。

自宅のおむつ代の支援

自宅で使うおむつ代は、市区町村が独自に支援している場合があります。たとえば東京都練馬区の案内では、要介護1以上で常時紙おむつ等を必要とする方が対象で、区指定の紙おむつを毎月届ける方法があり、入院中で持ち込めない場合は月額上限5,400円を支給するとされています。所得段階が第9段階以上の方は対象外です。条件と金額は市区町村ごとに異なるため、お住まいの市区町村の高齢者福祉の窓口で確認してください。

よくある質問

病院で使うおむつ代にも、1〜3割の窓口負担割合はかかりますか。

かかりません。厚生労働省の通知は、おむつ代・尿とりパット代を、保険診療とは別に患者の同意を得て費用を受け取れる「日常生活上のサービスに係る費用」に挙げています。保険の自己負担(1〜3割)とは別の実費で、病院が定めた料金を払います。

入院中に払ったおむつ代は、医療費控除に使えますか。

国税庁は、傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代を医療費控除の対象とし、医師の「おむつ使用証明書」が必要としています。入院中に病院へ払った分の扱いは、確認した国税庁の案内に書かれていないため、税務署に確認してください。

おむつ代の領収証には何が書かれていますか。

厚生労働省の通知は、他の費用と区別して内容のわかる領収証を出すことを求めています。「お世話料」「雑費」などの曖昧な名目で費用を受け取ることは認められていません。

この記事について

一般的な制度の説明であり、個別の費用や控除の可否の判断は行っていません。確認日は2026年10月17日です。

出典:厚生労働省 保医発0320第2号「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」改正後全文、国税庁 タックスアンサー No.1122「医療費控除の対象となる医療費」、練馬区「紙おむつ給付」(一次資料・出典一覧参照)。