禁煙外来での治療は、条件を満たせば後期高齢者医療の保険診療(ニコチン依存症管理料)で受けられ、窓口で払う割合は1割・2割・3割のいずれかです。通知に、後期高齢者を除く年齢の上限は書かれていません。
ここでは、厚生労働省の令和8年度改定の点数表と留意事項通知をもとに、適用の条件、12週間の流れ、管理料の点数から見た窓口負担の目安を整理します。薬代・再診料・検査料などは含みません。
保険で受けられる条件
留意事項通知には、次の3つがすべて必要と書かれています。
- 「禁煙治療のための標準手順書」のニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたこと。学会の標準手順書(第8.1版)では、TDSで5点以上とされています。
- 35歳以上の場合、1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じた数が200以上であること。手順書や厚生労働省のe-ヘルスネットでは「ブリンクマン指数200以上」と書かれています。35歳未満はこの要件がありません。
- 直ちに禁煙することを希望し、治療を受けることを文書で同意していること。
加熱式たばこを吸っている人も、標準手順書に沿って禁煙治療を行う対象です。後期高齢者医療の被保険者に限った別の条件や読み替えは、確認した資料にはありませんでした。
12週間・計5回の流れと再度の治療
通知では、初回の算定日から12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定するとされています。標準手順書では、初回の診察のあと、2週間後・4週間後・8週間後・12週間後に再診します。
一度治療を受けたあとに再度受ける場合は、初回の算定日から起算して1年を超えた日からでなければ、再度算定できません。起算するのは前回の初回算定日で、最後に受診した日ではありません。
2回目から4回目は、初回と同じ医師であるなどの条件を満たせば、情報通信機器(オンライン)で受ける方法もあります。初回と5回目は対面が前提です。
窓口負担の考え方
令和8年度の医科点数表の管理料1は、初回230点、2〜4回目は対面184点(情報通信機器155点)、5回目180点です。対面で5回受けた場合の管理料の合計は962点で、1点は10円なので9,620円です。窓口で払うのはこの額に負担割合をかけた額で、1割なら約962円、2割なら約1,924円、3割なら約2,886円になります。
- 施設基準を満たさない医療機関では、所定点数の100分の70で算定されます。
- 上の額は管理料だけです。再診料、検査、処方される薬などは別にかかるため、実際の合計は医療機関で確認が必要です。
- 2割負担の方の外来の増え方を抑える配慮措置は、2割負担の配慮措置のページで確認できます。
月単位の自己負担の上限(高額療養費)は、負担割合別の年間の自己負担で表にしています。上の目安は上限に届く額ではありませんが、ほかの外来と合わせた月の合計では変わることがあります。
受診前に確認すること
- その医療機関が、ニコチン依存症管理料の届出をしている禁煙外来か
- TDSの点数と、喫煙本数×喫煙年数が条件を満たすか
- 2〜4回目をオンラインで受けられるか
- 前回の治療の初回から1年を超えているか
よくある質問
75歳以上でも禁煙治療は保険で受けられますか。
厚生労働省の通知に、後期高齢者を除く年齢の上限は書かれていません。TDSで診断され、35歳以上は喫煙本数×喫煙年数が200以上で、直ちに禁煙を希望し文書で同意していれば、保険診療の対象です。
禁煙治療の窓口負担はいくらですか。
管理料だけなら、対面で5回受けて962点(9,620円)に負担割合をかけた額です。再診料や薬代などは別なので、合計は医療機関で確認してください。
禁煙に失敗したら、すぐにもう一度受けられますか。
通知では、初回の算定日から1年を超えた日からでなければ再度算定できないとされています。
一般的な制度の説明であり、個別の治療の費用や自己負担額を示すものではありません。確認日は令和8年10月14日です。
出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 医科点数表・留意事項通知(保医発0305第6号)、厚生労働省告示第69号 医科点数表、厚生労働省 e-ヘルスネット「禁煙治療ってどんなもの?」、禁煙治療のための標準手順書 第8.1版(一次資料・出典一覧参照)。
