株式の配当・譲渡益の確定申告と後期高齢者医療の保険料・負担割合

上場株式等の配当や特定口座の譲渡益を確定申告すると、保険料と窓口負担割合の計算に入るのか。令和6年度からの扱いを整理します。

上場株式等の配当所得や、源泉徴収を選んだ特定口座の譲渡所得は、確定申告をしなくてもよい所得です。これらを確定申告すると、後期高齢者医療の保険料と窓口負担割合(自己負担割合)の判定の計算対象になります。三鷹市・府中市・中野区の公式ページで確認できた範囲で整理します。申告するかどうかの判断や、税額・保険料額の個別の計算はこの記事では行いません。

令和6年度から所得税と住民税の課税方式がそろった

三鷹市によると、令和6年度から、上場株式等の配当等、源泉徴収口座内の譲渡にかかる所得、特定公社債等の利子所得について、所得税と個人住民税で異なる課税方式を選ぶことができなくなりました。

令和5年度の個人住民税(令和4年分の所得税の確定申告)までは、所得税と個人住民税で異なる課税方式を選べました。統一されたのは令和6年度の個人住民税(令和5年分の所得税の確定申告)からです。以前のように「所得税では申告し、住民税では申告不要にする」という分け方はできなくなりました。

確定申告をする場合としない場合の違い

三鷹市は、確定申告でこれらの所得を申告すると、住民税でも合計所得金額や総所得金額等に算入され、後期高齢者医療保険料の算定等に影響が出る場合があると案内しています。府中市も、上場株式等の譲渡所得等や配当所得等など確定申告を要しない所得を確定申告した場合、保険料の計算対象になると説明しています。

保険料の決まり方全体は保険料試算ページ、保険料額が載る通知書の見方は通知書の読み方で説明しています。

窓口負担割合の判定にも入る

府中市によると、資格確認書等の自己負担割合は住民税の課税標準額をもとに判定しています。確定申告を要しない所得を確定申告した場合は、この自己負担割合の判定の計算対象にもなります。配当や譲渡益を申告したことで住民税の課税所得が増えると、窓口負担割合が変わることがあります。判定基準は窓口負担割合判定ページ、3割と判定されたあとに収入の基準で1割・2割へ下がる仕組みは基準収入額適用申請で説明しています。

府中市は、75歳未満の方などが加入する国民健康保険にも影響が及ぶ可能性があると案内しています。同じ世帯に国民健康保険の方がいる場合は、あわせて確認してください。

損失と相殺するために申告するときの注意

中野区は、上場株式等の譲渡所得について、確定申告をした場合は保険料の算定基礎に含まれると回答しています。そのうえで、前年の損失が今年の所得を下回る場合は、確定申告をすることで所得が追加されるため保険料額が増えると注意を示しています。税金の還付を受けるための申告でも、保険料の計算に入る所得が増えることがある点に注意が必要です。申告するかどうかは、税務署や税理士にご相談ください。

このサイトの試算・判定ページで入力するとき

保険料試算ページと窓口負担割合判定ページで所得を入力するときは、確定申告をしなかった上場株式等の配当所得・譲渡所得は含めず、確定申告をした場合は含めて入力すると、上の扱いに沿った目安になります。どちらも一般的な目安で、実際の保険料と割合は、お住まいの市区町村・広域連合が住民税の課税情報をもとに決定します。

この記事について

課税方式の扱いと後期高齢者医療への影響の説明は、お住まいの市区町村によって異なる場合があります。一般的な制度の説明であり、個別のケースで申告すべきか、保険料がいくら変わるかを判断するものではありません。正確な取り扱いは、お住まいの市区町村の税務担当・後期高齢者医療担当窓口にご確認ください。
出典:三鷹市「上場株式等の配当所得等に係る課税方式の統一」、府中市「所得税と異なる課税方式による個人住民税の課税選択をした場合の後期高齢者医療制度への影響について」、中野区「上場株式等に係る譲渡所得を申告すると、保険料に影響はあるのですか?」(一次資料・出典一覧参照)。各ページの確認日は2026年9月28日です。