一部負担金とは、病院や薬局の窓口で払う自己負担のことです(1割・2割・3割)。法律には、災害などの特別の事情で一部負担金を払うことが困難な人に、広域連合が減額・免除・徴収猶予ができるという仕組みがあります。保険料の減免とは別の制度で、申請先や期間は広域連合ごとに案内が異なります。
法律が定める3つの措置
高齢者の医療の確保に関する法律第69条は、後期高齢者医療広域連合(都道府県ごとの運営主体)が、災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情があり、一部負担金を医療機関に支払うことが困難と認められる被保険者に対して、次の措置をとれると定めています。
- 一部負担金を減額する
- 一部負担金の支払いを免除する
- 医療機関への支払いに代えて広域連合などが直接徴収することにして、その徴収を猶予する(徴収猶予)
減額を受けた人は減額後の金額を、免除や徴収猶予を受けた人は窓口での支払いを要しないものとされています。「できる」という規定のため、認められるかどうかは広域連合の判断で決まります。
対象になる特別な事情の例
福岡県後期高齢者医療広域連合は、想定される特別な理由として次の4つを案内しています。
- 震災・風水害・火災などで、住宅や家財などに著しい損害を受けたこと
- 干ばつ・冷害・凍霜害による農作物の不作や不漁などで、収入が著しく減ったこと
- 事業や業務の休廃止、失業などで、収入が著しく減ったこと
- 重い病気やけがで死亡し、心身に重大な障害を受け、または長期間入院したこと(世帯がその被保険者だけの場合を除く)
熊本県後期高齢者医療広域連合も、ほぼ同じ4つを対象として挙げています。世帯主が事由に当たる場合を中心に書かれており、どの事情を、誰(本人か世帯主か)について対象にするかは広域連合の案内で確認が必要です。
期間と審査
熊本県の広域連合は、減免や徴収猶予の期間を原則として申請のあった日の属する月から6か月以内とし、広域連合長が特に認める場合は、事実が発生した日から6か月以内の期間になると案内しています。この期間は全国共通とは確認できていないため、お住まいの広域連合で確かめてください。
千葉県の柏市は、災害や所得の減少を理由とする一部負担金の減免などについて、決定には千葉県後期高齢者医療広域連合の審査があること、罹災証明書が原則として必要であること(災害の場合)を案内しています。必要な書類は事情に応じて案内されます。
保険料の減免との違い
病院の窓口で払う一部負担金の減免と、毎月の保険料の減免は、別々の制度です。柏市や仙台市の案内も、2つを分けて載せています。保険料のほうは保険料の減免で整理しています。窓口負担の割合そのものを調べるときは窓口負担割合の判定をご利用ください。
確認する先
福岡県の広域連合は、詳しい条件や手続きについて、お住まいの市区町村の担当課への問い合わせを案内しています。仙台市は、区役所または総合支所の窓口、制度の問い合わせは宮城県の広域連合としています。窓口負担が払えない事情が生じたら、市区町村の後期高齢者医療の窓口へ早めに相談してください。お住まいの広域連合は都道府県別の一覧から探せます。
一般的な制度の説明であり、減免や徴収猶予を受けられるかどうか、減額の割合は個別に判断されます。当サイトでは適否の判定や金額の試算は行いません。確認日は令和8年10月3日です。
出典:e-Gov法令検索「高齢者の医療の確保に関する法律」第69条、福岡県「後期高齢者医療一部負担金減免制度」(2024年1月31日更新)、熊本県「一部負担金の減免制度について」(2020年8月1日更新)、柏市「災害等を理由とした後期高齢者医療の減免制度」(令和8年8月25日更新)、仙台市「後期高齢者医療保険料、一部負担金の減免」(一次資料・出典一覧参照)。